4.砂浜に隠した気持ち side海月

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 怜音くんに引きずられるようにして、私は水族館を出ることになった。  どういうことなんだろう。  デート? 怜音くんと?  突然過ぎて、頭がついていかない。 「親父、ちょっとくらげちゃんと出かけてくる。送ってから帰ってくるから、少し遅くなるかも」  事務室から覗いていた副館長は、あたふたしている私へ満面の笑顔を向け、指でハートマークを作って首を傾げた。  副館長違うの、告白が上手くいったんじゃないんだからね。  怜音くんに連れられるまま、私はバス停に来たバスに乗っていた。 「ちょうど、バスが来る時間だなと思って。乗れて良かった」  バスは家に帰る方向とは逆に向かっているようだ。  座席に腰掛けても、まだ何が起こったのかわからなくて、私はさっきまで繋がれていた自分の手をじっと見つめていた。 「あ、あの怜音くん、一体どこに行くんですか?」 「浜辺のあるところ。ほら、いつもくらげちゃんと会うのは水族館の中だからさ、たまには本物の海に行ってもいいかなと思って」 「海ですか?」 「あ、もしかして海は嫌い?」
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