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「ほらよ。まずは湯に入れ」
「お前は入んねぇの?」
「湯が溢れる。第一狭くなるだろうが」
「良いからお前も入れ。お前後な」
二人で入ったせいで、湯が半分くらい溢れたんじゃねぇ?
そしてやっばりクソ狭い。
成長期にベロベロと身長が伸びた俺は176cm、こいつも同じくらい、いやもう少しデカいかな?
そんな大きい男が猫足のバスタブに二人…足が伸ばせん!!
「クソ狭いな、やっばり」
「だから言ったろうが。出てもいいけど、湯が半分になる。沸かすまで少し時間がかかるぞ?」
「いや、このままが良い…あ、お前が嫌だったらしょうがねぇけど」
「客はお前だろうが。俺の好みなんぞどうでもいいよ」
「あのなぁ、お前の好き嫌いは大事だろうが。自分を粗末にすんな。
…で、この状況、お前は嫌か…?」
「嫌じゃない…くくっ、お前、面白いな」
「そうか?あとお前じゃねぇ、アンヴェル・ノーウェスだ。お前は?」
「俺はジェイル・キトフェル。くくっ、男娼相手に名乗る奴もそうそう居ないぞ?」
「そうか?名乗りはコミュニケーションの基本じゃねぇの?」
「あはは!穴相手にコミュニケーションかよ!あははふぁっ!?」
振り返ったアンヴェルに鼻を摘ままれた。
慌てて振り払い、抗議しようとしたが──
「自分を粗末にすんな、つったろ?そういう自虐的な発言禁止!」
口を尖らせて、めっ!って
…俺は堪らず大爆笑した。
俺、子供かよ!?
お前、怒ってんのに可愛いってどうなのよ!?
俺に大爆笑されて拗ねたらしいアンヴェルを、後ろから抱き締めてナデナデしてやったら『子供じゃねぇ!』って怒ったけど、やっばり可愛い。
俺は再び大爆笑した。
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