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湯船から上がって、アンヴェルをサイドソファーに寝そべらせ、上半身からマッサージを始める。
「かぁ~、サウナでマッサージたぁ極楽だわ~」
アンヴェルが顔に似合わないオヤジ発言を溢す。
だが、確かに肩から背中にかけてガチガチに凝っていた。
「アンヴェル、いい身体してんのな。仕事は何だ、って聞いていいか?」
客の中には、プライベートに踏み込まれたくない奴も居る。
こういう個人的な質問は気を付けなきゃならないし、面倒臭いから普段はしないんだが…
「俺?船乗り。親父が貿易会社やってて、下働きしてたんだ。今回初めて船を任されて…」
「アンヴェル?」
「くぁ~、眠い。俺が寝たらマッサージ止めて良いから。んで、3時間経ったら起こして…」
アンヴェルは言うが早いが眠りに落ちたようだ。
止めて良いから、ってもなぁ…こちとらプロだぞ?
はい、そうですかって止める訳無いだろ?
プロ意識に目覚めた俺は、アンヴェルの頭の先から爪先までたっぷりマッサージしてやった。
ふはは、ヤりきった───!!
マッサージで吹き出た汗を温くなった湯で流し、アンヴェルにガウンを着せてベッドに運んでやった。
クソ重かった………!!!
体力には自信満々だが、男としての力は標準だと思う。
そんな俺に筋肉質な男は重すぎて、プルプルする腕をどうにか解す。
アンヴェルを起こすまであと2時間─これは、計画決行のチャンスじゃねぇ?
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