act.2

2/10

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「うわっ、あんたも男娼なの?」 気が付いたら、若大将とやらが俺を遠慮なく覗き込んでいた。 うわっ、面倒臭えー… 「そうだけど、俺、高いよ?」 「どんくらい?」 「一晩最低でも4万。オプション付きなら5~6万」 他の男娼や娼婦の相場は2万程。 オプションとは部屋で飲む酒やツマミ等の他に、店で設定した様々なプレイにかかる料金。 店で設定した以外は、客と本人同士で相談して決めた額が発生する。 まぁ、普通ならどんだけ色々やっても3万で釣りが来る。 売れっ子男娼として決められた俺の額を、払える一般客はそうそう居ない。 フェンディルみたいな豪商や何処ぞの金持ち貴族でなければ難しいが、そんな御仁がこんな田舎にそうそう居る筈もなく── 金持ちは他人の手垢がベッタリついた商品を敬遠しがちだが… フェンディルは気にしないと言ってくれるし、俺は金を稼ぎたい。 店の主と相談した上で俺が提示するのは── 「ショートタイム、つまり2時間だけなら安くしてやる」
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加