01 猛獣使いになっていた

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目を覚して起きれば果実が置いてあって、食べなければじっと見詰められ渋々口にする 死ねるような崖を探すもそんなものはなく、小屋にあったロープで首を吊ろうとしたら、切られて止められた 3日に一度はあの泉で身体を洗い、と言うか落とされてから乾かさせられ また小屋に戻って死ぬことを考えては、ゴロゴロダラダラ過ごす こんなだらしない私を見てるリクは聞く事もなく只、同じように横たわってるか 食べ物を探しに飛び回ってるぐらい その隙に何度死んでやろうと思ったがタイミングよく現れるのは、謎過ぎる 主だから分かる、と言われ続けたまま… 此処に来て、早くも一ヶ月が経過する 「 リクが死なせてくれない……グスン 」 「 ………… 」 包丁系は全部隠された、と言うか捨てられた  だから料理する事も焼いたものを食べてもない ずっと果物と水だけで過ごしてるけど、案外…空腹にはならなかった 気持ちがいっぱいなのか不安定なのかは分からないが、食欲は言われなければ食べ無い程度 後、普通の動物じゃない物は見掛けたけど リクが睨んだだけで立ち去る辺り、リクのランクが高いんだと思う 弱肉強食の世界で言う上の辺りだろう 見た目からしてそんな感じするけど、 案外…厳つい見た目に反して過保護なんだよ 聞かなければ話さないのに、無言で過保護にされてるのが分かるから胸の辺りがもやもやする  「 もう…なんで、私はこの世界にいるんだろ……。死ぬはずなのに…生きてるなんて…… 」 「 死ぬ事が義務になってるルナは死ぬ必要はない 」 「 なんで……? 」 義務にはなってないはずだけど…と思うけど それ以外の答えが気になって、顔を向ければおすわりしていたグリフォンは言葉を続ける 「 この世界に来て、もう一度生きて、幸せを見つけるチャンスを貰ったのだろう。この世界は悲しいか?辛いか? 」 「 そんな事…ないけど…… 」 この世界だろうと、前の世界でも悲しむ者はいなかった 辛いこともなかった 生きてることが辛いのだから、他の事に関しては余り気にならなかったはずだ 寧ろこの世界は空気はよく、果物も飽きが来ない程に美味しい 風景も心が休まるほどに気持ちがいい リクは起きるまで起こさないし、歩き回るのも自由で、泉に行くのも好き勝手に出来る 月が見えた回数と、太陽が昇る回数によって日付を知るけど、時間に縛られる事も無い 気晴らしとばかりにリクが背にのせて色々と歩き回って見せてくれる だからこそ、居心地が良すぎると思うぐらい 「 なら生きて幸せを探せ。御前の幸せが、俺の幸せだ 」 「 なんで…そんな、断言するの… 」 「 今の御前からは負の感情しか流れてこないからな。猛獣使いは真名を得ることで猛獣を扱えるが、猛獣は変わりに知性と感性を得ることが出来る 」 その言葉で全てが、納得した 尽くすのも、私の心の変化を知る為なんだと… この1ヶ月、色んなことを教えて、見せてくれたのは楽しいとか思う気持ちを知れるからなんだ でも、悲しい気持ちばかりでは詰まらないのか 猛獣には本能があっても、知性や感性が鈍い事は前にも聞いた けれど生きていく上で必要はない為に、気にはならなかったが 別の種族であり、主なら知りたいと思う″ 本能 ″だろうね 「 だから、自殺する時も察して戻ってきたんだね 」 「 嗚呼、その瞬間は息苦しいからな。俺までそんな思いをするのは御免だ 」 「 ………私の心の痛みが分かるのは辛いね 」 「 否定しない 」 傍観していた理由を知った 私が死ぬ時に思う、辛さや寂しさをリクもまた知る事になると気付いてたなら そう何度もしなかったのにな…… 一人でひっそりと死ぬのは構わないけど、道連れだけは嫌だね… 「 ごめん、リク…… 」 ベッドから下りて両手を伸ばし、その首元へと抱き着けば、獣は僅かに髪へと顔を寄せた 「 御前が幸福だと思う事を教えて欲しい。感情を持たない…。俺は、それしか知る事が出来ない 」 リクが生かすと言う理由は、死ぬ必要がないという単純な理由 辛い思いをしてまで死ぬぐらいなら、幸せになって色々教えてくれと言っているのは分かった 真名を貰い、代わりに感情を与える それが猛獣使いと猛獣の契約 やっと知れた事に納得する 「 なら…我儘を言ってもいい……? 」 「 何でもいえ…叶えれることは叶えてやる 」 それはきっと、知りたかったこと… 知る為なら死ぬ事を止めてもいいと思う ギュッと強く抱き締めてから、そっと呟く 「 ……愛情を知りたい…… 」 「 それは俺にはわからないから…。人の男と出会う必要があるな。落ち着いたら町に行くか 」 「 ……恋愛がしたいわけじゃないけど、気晴らしに良いかもね。ありがと、リク 」 「 嗚呼 」 愛情とは何か?リクには分からないという それは私にも分からない だから恋愛をしたことも無いし、恋愛をする気にもなれ無かった 愛だの恋だと女子が騒ぐのを遠くから聞いていた私には、縁がないけど それを置いといて、町が有るなら行きたかった 異世界の町、そんな感覚でしかない 「 後は一緒に寝よう?羽毛が気持ちがいい 」 「 なら…今日から寝るか。狭そうだがルナが望むならな 」 「 うん、そうして欲しいよ 」 フカフカで温かそうとすり寄っていれば、真似るようにリクもまた髪へと嘴から頬へと擦り寄った 何気無く顔を上げれば、金色の目と合いふっと笑って嘴へと口付けを落とす 「 リク……。ありがと 」 「 嗚呼……構わない 」 お返しとばかりに嘴を頬に当ててくる 大きなペットがいる、そんな事感覚はまるで母親が私を引き取った時のようなんだろうか 「 ………ルナ?また考えてるのか? 」 「 ん…?いや、何でもないよ…。いっぱいチューしてあげる 」 「 なら、その分…返してやる 」 リクは真似る、全てを真似るけど、色々教えてもくれる 猛獣のこと、エルフのこと、人間のこと そして私の欠点すら見抜いていく 逆に良いところもハッキリと口にするから、それがとても心地良かった リクの側にいる事が安心するのは、きっと独りだったからこそ 話し相手にもなれるペット感覚なんだと思う 「( 流石に、気持ちが落ち着くと……。別の事に意識がいくのは悪いな…… )」 リクと一緒に寝始めてから、羽毛で癒やされてるせいもあり 年中発情出来る人間らしく、食欲、睡眠が満たされれば、残り1つがグツグツと込み上げてくる ″ 性欲 ″……病んでる時は一切、興味が無いのに、全てが満たされたり、逆に満たされてなくとも浮かび上がる 腹下に感じる疼きに、流石にリクの傍でヤることば出来ないと判断して、そっとベットを抜け出した 「 最悪……。別に好きな男がいるわけでもないのに…… 」 誰かを思ってヤる、何て事はしない けれど無性に疼く時がある 孤児院にいるときに無理矢理、教師や他の子にされたのが原因かは分からないけど 触れたくて仕方無い 足音を立てないよう外に出て、近くの木陰に行けば座り込んで下着を下ろす 泉に入って上がれば、不思議なほどに身体も服も綺麗になる為に同じ服を着続けても汚れてはない けれど、こんな風に地べたに座ればズボンも背中も汚れるだろう そんな事はもう…考える余裕はなかった 「 明日……泉に行こう 」 下着は既に濡れ、湿り気を帯びていた ズボンと下着の間に手を入れ、布の上から指でなぞれば久々の感覚に腰は震える せっかちだとは自覚ある為に、早々にズボンと下着を脱ぎ去り、秘部へと指を当てクリを弄りながら片手でこっちに来て尚更デカくなった胸を揉む 「 はぁ、ぁ、っ……ンッ…… 」 森の中で裸になる趣向なんて無いけど、辺りに誰も住んでないことを知ってるから 気にもせず服を脱げる 上の服すら取っぱらい、地面へと落とせば後は自慰に浸るだけ 時折指に唾液をつけて、自ら膜口を弄り、指を入れ音を立てる 卑劣な音が響き、指が2本に増えれば自慰の限界を感じる 「 っ…ん、くっ…… 」 独りだとこれ以上は手が止まり、イク事が出来ないまま止めてしまう 疲れた方が大きくて、指を抜き濡れた指を月明かりで光る液体を眺めていれば、重い足音にピクリと反応する 「 ……… 」 「 っ…… 」 影から現れた大きな獣は、金色の瞳を僅かに光らせ此方へと歩いて来た 怖いというより、こんな自分を見られたことに恥じらいが浮かぶ けれど、獣は目の前で立ち止まれば顔を下げ頬へと寄せてくる 「 んっ…… 」 「 発情期か?……望むなら、相手になろうか 」   「 リクは…バター犬じゃないから…… 」 いつものように頬へと嘴を当てたリクの低い声に今は内部がキュッと締まるような感覚がする あぁ、獣なのに…声がいいんだ…… そう改めて知りながらも一線は超えたくないと、出来てもない否定をすれば嘴を割り、曲がった鳥のような舌は首筋を舐め上げた 「 ひっ……ぁ! 」 「 それがどんな犬かは知らないが……。俺も雄だ。求めてくれたら答える……ルナはどんな男が好きだ?言わなくていい…考えるだけで分かる 」 「 どんな、男って…そんなの…しらなっ、ぁ、っ……! 」 分厚い舌が耳を舐めた事で声は裏返る 止めさせるほどの抵抗力なんて持ち合わせてない 寧ろ、どんな男がいいのか考えてしまっていた 好きなタイプも分からない私に想像出来る程の経験は無く 嫌なのは顔を知る者達以外だった 結論は、知り合い以外なら良いと思い目を閉じて考えていれば リクとは触れあったことない、広い手の平が反対の頬に触れた感触に目を見開いた 「 っ……!? 」 「 なら……俺のままでいいか? 」 目の前には、吊り長の金色の瞳をした、彫りが深く、整った顔立ちをした年上の男性が居た 二十代後半から三十代前半に見えるほど若々しいけど、どこか落ち着きもある雰囲気だが 目線を泳がしてもリクの姿はない 「 いや、なんで……リクがいなくなった…… 」 「 俺がリクだが…?俺ぐらいの階級になると、人の姿になれない方が可笑しい 」 「 そんな、聞いてない…… 」 「 聞かれてないし、答える必要が無かった。人の姿は……使い方が変わるから面倒だ 」 面倒ならならなければいいのに、って思うのにこの男は、言葉を言いながらスルスルと顔を下げて太腿を撫でれば脚を開いた 人の姿になったことに戸惑ってる間に、彼の行動を防ぐ余裕が無かった 気付いた時には脚は開かれ、蜜の垂れる秘部へと生温い舌が触れていた 「 ひぁっ!?リク、待って…汚いって…ぁ、っ! 」 自分で弄るから気にしなくて良かったのに、 舐められるなら泉に飛び込んでしまいたい気分になる 止めさせようと髪を掴めば、銀色のショートヘアは思った以上に柔らかかった まるで羽毛みたいだと一瞬思ってしまうが、そんな事も忘れてしまうのほどに、舌の感覚に身は震える 「 ひっ……ぅう……!りくっ……うっ、ンッ! 」 わざとなのかは分からないけど、卑劣な水音が響く 舐められて嫌なはずなのに、初めての前撫に身は震えてしまう 「 リクッ、ぁ、はぁ、あっ……! 」 言わなくても分かるからこそ、彼は止めはしないんだ 私が反応する場所を瞬時に理解するから、そこが攻め続けられ、腰は揺れ爪先に力が入る 「 ぁ、アッ…だめっ…ぁ、もう…もぅ、ンッ……ンンッ!! 」 呆気無く達してしまえば、彼は丁寧に舐め取り顔を上げ腹やら、子宮辺りへと口付けを落とす それすら拾い集めて反応し、息を荒くし、彼の方へと視線を落とせば、此方を向く金色の目は熱を含む その表情に背筋は震える 月明かりに照らされてるから尚更、美形に見えるのか分からないけど 狼のように飢えた瞳は理性と本能が交互に現れる きっと私のせいだと分かるから、片手を伸ばし頬へと触れる 「 リク……。挿れて……いいよ…… 」 自分の猛獣(ペット)に何を言ってるのか… 有り得ないと思うけれど、リクは手へと頬を摺り寄せ、顔を寄せ額へと口付けを落とす 「 ……俺は猛獣だから、子は出来ないが……。いいんだな? 」 「 ん、いいよ…… 」 できないからこそ、とは言わない もし子が出来ても、死ぬ理由が無くなっていく一つになるなら良かった 彼は密かに頷き、私の身体を自分の服を敷いた上へと倒せば、股を身体で割り開き 軽く膨張した陰茎を押し当ててきた 流石、感情の鈍い獣だと言ってやりたいが… きっと舐めてる最中に私が知らない間に指で拡張してたに違いない 自らの唾液を垂らしたとは言えど、彼の陰茎は膜口を開き、中へと入ってきた 「 ンッ……!はっ……っ… 」 「 はぁ……ルナ……。こんなに興奮するのは初めてだ……。気持も、痛みも伝わってくる…… 」 人は短命だから、私が死んでも猛獣である彼は死なない けれど、感情がハッキリと伝わればその分…痛みを含めた僅かなものですら徐々に共有する量が増えていく 些細な痛みも、呼吸や、心臓の高鳴りすら、リクには手に取るように分かるのだろう 狡いな…私にはわからないのに…… 頬に触れた手は壊れ物を扱うようになぞり、額に当たる口づけは、今までの中で一番優しさがあった 挿入してから動く事なく形に慣れるまで待ってくれてるのは分かるけど、生々しく感じる雄の陰茎は、私が反応するのに合わせてムクムクと膨張し、膜を満たす 「 はぁ、私も……こんなに…感じるのは……初めてだよ 」 「 あぁ……同じだ…… 」
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