2人が本棚に入れています
本棚に追加
自転車の重いペダルを踏む。踏む。踏む。
夏休みの間にさらに怠けた体が悲鳴をあげる。
「……ひぃ。ふぅー……はぁ……」
9月の夕日に体内の水分を絞られながら、心臓破りの急な坂道をなんとか登りきった。
「はぁ……はぁ……また、ダイエット、するべきだなぁ」
体重80kgの体に高校指定のワイシャツが汗で張り付いて気持ちが悪い。
住宅街とはいえ人気はない、いっそ上半身だけでも脱いで楽になってしまおうか!
――中学のとある夏のほろ苦い思い出がよみがえる。外で上半身裸で息を切らしながら走っている姿を、たまたまクラスの女子に見られて、物凄く恥ずかしい思いをしたなぁ。それでダイエットを断念した。……あれは、見せてしまった女子にも気まずい思いをさせて、申し訳ないことをしたなぁ。
最初のコメントを投稿しよう!