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暗く永遠とも思われる階段をひたすら下へ下へと下りていった私のすぐ目の前に青光する扉が現れた。
私は青光する扉のノブを掴みながら、おもいっきりその扉を押し開けると、そこには今まで見たこともない光景が目の前に広がったのである。
『な、なんなの此処!?』
その部屋は見渡す限り、ありとあらゆる種類の草花に覆い尽くされていて、もはや足の踏み場もないほどであった・・・がしかし、よく目を凝らしてみると人が通れるくらいの、草花を掻き分けて作った様な細い道があるのに気づいた。
私が掻き分けて作ったと思われる、その細い道へ足を踏み入れた時だった。
少し奥の方で微かな人の気配を感じたので、
『誰かいるの!?』と叫んでみた。
返事はない。
更に奥へと進んでいく。
『道はここで終わりみたいね』
その道の終わりのすぐ脇には机と椅子が無造作に置かれていて、私は何の気なしにその椅子に座ってみる。
椅子に残るほんの僅かな温もり。
間違いなくつい先程まで誰かが居た証拠だ。
そして、周りを見渡していた次の瞬間だった。
突然後頭部に激痛が走り、自分の意に反して身体がぐしゃりと崩れ落ちた。
不意打ちされて遠退いていく意識の中、微かに見えたある人物の影に、
『や、やっぱり【隠しごと】をしていた………のね………』と、思い半ばにして私は完全に力尽きてしまったのである。
・・・続く
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