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発見! 描かれた交差点
調査開始から二日がたった。
県内にはそれらしい場所は見つからず、隣接する県にまで調査範囲を広げていた。
適度に休憩を入れていても、目が疲れて痛い。
先野は事務所の外、面談コーナーに置いてある自動販売機でコーヒーを買ってデスクに戻ってくる。
「意外とかかるな……」
ひとりごちた。長時間のパソコンでの作業は慣れていないので疲れる。パソコンの操作にしても、思うように動いてくれないときがある。ストレスがたまる。
探偵というのは、外で靴底を減らしながら、人間を通して仕事をしていくもの──というのが、いささか二十世紀を引きずった先野のイメージだった。事務所にこもってパソコンを操作するというのは、先野にとっては苦手な作業なのだ。
クレヨン画の交差点は、なかなか見つからなかった。
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