8人が本棚に入れています
本棚に追加
声をかけてきたのは、手伝いをしてもらっている若手探偵、原田翔太だった。二十三歳の、入社して間もない探偵である。若手の探偵に案件がまかされることはない。先輩探偵の手伝いが主な業務となる。探偵にマニュアルなどない。先輩について探偵のノウハウを学んでいくのである。
「なにっ、見つけたのか、ハラショー!」
「はい! たぶん、間違いないと思います」
「でかした!」
三条とともに原田のデスクに集まった。
「ここじゃないですか?」
原田のデスクのノートPCのディスプレイには、あの絵とよく似た画像が表示されていた。
「似てるな……」
「きっとここですよ!」
原田は確信している。
「看板がないようだが……」
たぶんこの十年の間に変わってしまったのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!