序章〜伝説の勇者達⑥

1/1
前へ
/9ページ
次へ

序章〜伝説の勇者達⑥

✴︎伝説‥5話〜謎の城とそれを監視する国と強者と{改}【挿絵】       ※※※※※※※※※※※  ここは、この大陸の端の南西に位置する火山地帯。  誰も寄り付かないほど、酷く荒れ果てた土地、その高台には立派なお城がある。  この城の名前はシェルズ城という。  しかし現在では、この城の事は誰も知らない。いや、一部の人間以外は……。  この城の玉座の間では、国王アルベール・シェルズが、大臣ジルベイム・キリュウと話をしていた。 「ジルベイム。オパール城の様子はどうだ?」 「アルベール様。手はず通り、事は動いています」 「そうか。それならば良いのだがな。後は我々の方で3人、召喚するだけだ!」 「それでは、召喚魔導師たちに指示を出し、召喚の儀式を行わせたいと思います」 「今度こそ、成功させねばならない。ただ、神々に気づかれると厄介だ。そこは慎重に動け」  そう言われ、ジルベイムは頷き一礼をし、玉座の間から出て行った。  場所は移り、オパール城の玉座の間では、側近のナルザス・ホワイトが、国王ロウディ・オパールに報告をしていた。 「ナルザス。あの城の様子はどうだ」 「陛下。今の所は動きはないようです」 「そうか。それならば良いのだが。もし、動きがあるようなら、こちらも手を打たねばならない」 「では、配下の者には、引き続きシェルズ城の様子を、監視するように伝えます」 「うむ。ナルザス、頼んだぞ」 【挿絵:もけもけこけこ様】109b1cbb-cf55-4151-8ce1-bc6841ed6b74  ロウディがそう言うと、ナルザスは頷き、一礼をしてから、シェルズ城の監視をしている、配下の者の所に向かった。  場所は移り、ここはオパール城から、東南に位置する森の中。  リュウキとアリーシアは道に迷い、野宿をしながらひたすら、オパール城を目指していた。  しばらく歩いていると、サーベルタイガーの群れと遭遇した。 「アリーシア。何か、スゲーやばいのが、何匹も……おい!?どうすんだよ!!」 「あちゃー、困ったね」 「……って、はぁ。あー、クソッ!何匹も……。こんなのどうやって戦って?」  リュウキはそう言うと、サーベルタイガーを睨んだ。  そしてサーベルタイガーは、2人に襲いかかってきた。  2人は瞬時に身構えた。  サーベルタイガーは前足の爪で、リュウキを斬り裂こうとした。  するとリュウキは、すかさず盾でガードし、サーベルタイガーの腹部を、剣で突き刺した。 「ガ、ガオォォーオォー!!」  と、雄叫び上げ、バタッと地面に倒れ込み、そのまま息絶えた。  そして、他のサーベルタイガーは、それを見ると怒り、リュウキ目掛け襲ってきた。 「ちょ、ちょっと待て!?何で俺ばかり、狙われなきゃいけねぇんだ〜!」  そう言いリュウキは、アリーシアの方を見た。  するとアリーシアは、大蔦の籠を召喚し、身を守っていた。  それを見たリュウキは、サーベルタイガーの攻撃をかわしながら、 「おい!アリーシア。何で自分だけ、籠の中に入ってんだよ〜!?」 「ん?リュウキは強そうだし、大丈夫かなって思ったから。それに、誰かが倒さないと、流石にまずいでしょ」  そう言われ仕方なく、リュウキは盾を天にかざし、  《守護龍の結界!!》  盾が白く光りを放ち、龍の声が、  “ガオォォーン!! ”  と、辺りに響き渡り、結界がリュウキを覆い攻撃を防いだ。  すかさずリュウキは、サーベルタイガーの群れ目掛け、剣を斜めに振り上げ、  《疾風連斬撃殺!!》  疾風の如く連続で斬りつけ、サーベルタイガーを倒していった。 「リュウキ。思ってたより、すごく強いんだねぇ」 「……って。まぁいい。てか、腹減ったぁ〜。あっ!そうだ。アリーシア、このサーベルタイガーって、食えるのか?」 「うん、美味しいよ。だけど調理しないと、食べれないけどねぇ」  そう言われリュウキは考えた。  その後リュウキは、サーベルタイガーを解体し食べる事にし、アリーシアと小枝を集めた。  集めてきた小枝に、持っていたアイテムで火をつけ、サーベルタイガーの肉を焼き2人は食べた。  そして残った肉は、調理してバックの中にしまった。 「リュウキ。これでオパールの街まで、何とか空腹にならないですむねぇ」 「確かに、しのげそうだが。無くなる前に、学園につけばいいがな」  そして、2人は火を消した後、その場を後にしオパール城を目指した。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加