隠れた優しさ

5/7
前へ
/168ページ
次へ
「コーヒーは何処に置けばいいですか?」 「あ、ノートパソコンの隣でいい」 彼は部長の書類に捺印をしながら返した。 私は言われるままノートパソコンの脇にカップを置く。 「いいなぁー…俺も桧垣さんにコーヒー淹れて欲しいなぁー…」 「ほら、捺印した。さっさと出て行けっ」 「瑞生はマジで俺に冷たいな…そうだ・・・お前…桧垣さんにもそんなに冷たいのか?」 「従兄かもしれないけど…仮にも社内では俺は社長だ。名前で呼ぶなっ」 「俺のコトは辰典って呼ぶくせに…何だよ!?」 「うるさい…」 社長と青海部長のやり取りは見てると小学生の喧嘩のようで面白い。私はクスッと思わず声を出して笑ってしまった。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2323人が本棚に入れています
本棚に追加