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北海道出張
目の前のモニターから流れる映像は救命胴衣の着用説明のVTR
飛行機の離陸の時間が差し迫って来る。
「何だか顔色悪いけど…」
「私…実は高所恐怖症なんです…」
「そうなのか?でも、過去に飛行機乗ったコトあるだろ?」
「はい…その度にこうしてパニック起こしてます」
「…」
社長は半分呆れながらもそっと私の手を握りしめてくれた。
「怖いなら思いっきり俺の手を握って目を瞑ればいい…」
「え、あ・・・」
私は社長に握られた手を見つめ、赤面する。
「ほら、目を瞑れよ」
社長に催促され、私はギュッと目を瞑った。
目を瞑ると余計に握られた手の感触を意識してしまい、カラダに熱がこもった。
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