北海道出張

4/9
前へ
/168ページ
次へ
都心の初夏の強い陽射しとは違って、北の陽射しは柔らかな 光だった。 まだまだ、過ごしやすい気候。 このまま、秋まで北海道で過ごしていたい気分になる。 彼は私達の荷物をトランクに詰め込んでくれた。 私と社長は二人で後部座席に乗り込んだ。 「社用車なもんで…狭いですが…申し訳有りません…」 「構いませんよ。なぁ?桧垣さん」 「はい」 安積工場長の運転で空港を離れ、苫小牧を目指した。 中国では住宅需要が拡大傾向で、海外産資材の需要も高まっていた。韓国においても香りの良い檜、杉の内装材市場が人気を博していた。会社はその高まりに目を付け、苫小牧工場に巨額の資産を投じた。
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2328人が本棚に入れています
本棚に追加