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プロローグ
『一ノ瀬コーポレーション』
就職セミナーで見つけ、適性検査と言うふるいにかけられ、ようやく最終面接までこぎ着けた会社。
でも、この後の面接の予定は空欄だった。
桧垣寧々(ヒガキネネ)二十一歳。
氷河期と言われる厳しい就職戦線の真っ只中に居た。
最終面接の相手は一ノ瀬会長とそのご子息の社長。
会長は私の父ぐらいの年齢で、社長は私よりも四歳か五歳ぐらいしか違わない感じ。会長は愛想よく、私に色々と笑顔で面接の質問を投げかけたけど。息子の社長は無愛想で淡々と形式的に質問をするだけ。
正反対の印象を受ける親子だった。
二対一の面接で、志望動機や資格の有無、内定を貰えば、我が社でなにがしたいか…ごくありふれた質問がされただけで面接は終了。
返事は一週間以内、携帯のメールで知らせるとのコト。
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