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「そんなに攻撃的にならないで欲しいな」
そう言いながら苦笑している。
リールはそうは言われても落ち着くことなど出来ない。国王暗殺実行を失敗し、こんなところに入れられているリールの運命は、死刑なのだ。それを重々分かっているため、リールは国王へと牙を剥く。
「ラーナ。リール少年との話は終わったかね?」
「はい……」
ラーナもリールの今後の処遇については理解している。そのため、返す言葉も必然的に重たいものとなった。
「では少し、下がっていなさい、ラーナ」
「はい」
国王に言われて、ラーナはリールの傍から離れ、国王の後ろへと控えた。リールは黙ったまま国王を睨み付けている。
「かわいそうに……」
「……」
ぽつりと落とされた国王の呟きに、リールは沈黙を返す。ぎろりと睨み付けたまま、
「この国の国王自ら、俺に死刑宣告か?」
リールは、暇人め、と吐き捨てると、国王から視線を逸らした。国王はそんなリールへとにっこりと微笑んでいる。
「君の処分を言い渡そう」
国王のその声音は天気の話でもするかのように、緊張感がない。そのことにカチンと来たリールは下から国王を睨めつける。国王はそんなリールの視線に気付いているはずなのだが、相も変わらずのんきな声音のまま、
「君の処分はね……」
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