魔法

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「え?本当にいいの?実は、死ぬっていうリスクがあるから誰にも渡せないでいたの」 「いいよ。美姫には感謝してるし、何より死んでほしくない」 持つべきものは友達だ。 涙が出た。 「ありがとう。友美は最高の親友だよ」 「何を水くさい。ほら、早く」 「……うん」 ソーセージのような友美の指と手タレントみたいな私の指が絡む。 私は息を飲んで、勢いよく声を出す。 「指きったっ」 何も変わった様子はない。しかし、これで合っているはず。 「なんかウケるね。美姫と親指。美しい姫と親指なんて、完全にリアル親指姫じゃん」 肉がかった声で友美ははしゃいだ。 「そう言われればそうだね。まあ、親指姫に魔法使いは出ないけど」 私も同時に笑った。 しばらく2人で盛り上がり、真面目な話を友美に持ち出す。 「私、こんなに痩せて自分に自信がついた。だから今日の仕事終わりに蒲原係長に告ろうと思ってる」
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