魔法

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「そっか。美姫ならすっごい美人だし、きっと大丈夫」 「それならいいけど。でも一週間前なら絶対思わなかったこと。蒲原係長はスレンダー好きだし」 「うんうん。頑張って。応援してる」 友美ははにかみ、そのまったりとした顔で緊張した心を和ませてくれた。 仕事終わりまで、いつも以上に長かった。 時間が進まない。仕事も進まない。 やっと定時になり、多少の残業をした蒲原係長は席を立った。 私は呼び止めて、打ち合わせ室へ2人で入る。 心臓がはち切れそうだ。一週間前は下着がはち切れそうだったのに。 「いきなりどうしたんだ、美姫くん」 「お忙しいときにすいません。ちょっと話がありまして」 なんだ、このとてつもない恐怖は。 アラサー特有の呪縛。 「仕事の相談かい?」 「いえ、仕事じゃなくプライベートのことで」 「プライベート?」 「はい。はっきり言います。私、ずっと前から蒲原係長が好きでした。結婚を前提に付き合って下さいっ」
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