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告白
たぶん数秒。
しかし、私は永遠に感じる時間。
蒲原係長は深呼吸をついて口を開いた。
「美姫くん、悪い。気持ちには答えられない。今の君には」
ん?どゆこと?
フラれたことはわかる。
でも、最後の言葉は何?
「意味がよくわかりません。すいません」
「わかった。君が告白したから、僕も隠しごとは止めよう」
「隠しごと?」
「実は僕も君のことがずっと好きだった」
「え?」
じゃあ、なぜ?
口に出せない疑問。
「でも今は違う。君は変わった。前のぽっちゃりとした、ほのぼのとした君が好きだったんだ」
「ほのぼの……でも蒲原係長はスリムな人がタイプじゃなかったんですか?いつも一緒にいる人たちは、そんな人ばかりでした」
「そう、僕の周りには細みの女性ばかりだ。でもそれは、あえてそうしてたんだ。君を好きなことが、君にバレないように。告白することが怖かった。大人の男のくせにね」
「……あえて」
「見た目がどうこうじゃないが、僕はどうしてもぽっちゃりした人しか好きになれないんだ」
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