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「あるの?戻る方法」
友美ははっきりと笑う。
癒し系とはほど遠く、体格が大きいだけ威圧感がすごい。
「あるわよ。あなたという風船が膨らむ術は私が今は握ってる」
「友美が?」
「痩せる魔法は、朝の通勤電車で知らない人に渡してきた。そして今ある魔法は……」
「女って怖い、とても。とんだ隠しごと」
「ね?私が握ってるでしょ?美姫の知り合いに魔法渡して、また膨らまれても困る。絶対に風船は再び膨らませない。あなたの知らないとこで知らない人に引き継ぐから安心して。痩せたかったんでしょ?」
「お疲れ」
私は打ち合わせ室を出た。
これ以上、醜い女にならないために。
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