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「でさ、特別棟のところで植木が植えてある花壇のところに飛び降りれば、植木がクッションになって飛び降りれるかなって思ったんだけど。どうかな?」
「いや、どうかなじゃないよ。普通に危ないからやめて」
「えー、かっこよく着地したい!」
「救急車を呼ばれる未来しか見えないから」
矢田くんが真顔でそう言ってくるので、「それは嫌だ」と言って私が折れることにした。
植木の上に落ちることをちゃんと考えてみると、剪定されている枝木でも刺さっていたそうだ。下手したら腕に刺さっちゃったりするかもしれない。
私は半袖のブラウスの袖をめくって二の腕を見つめ、その部分に枝が刺さることを想像する。この筋肉はほとんどなく、プニプニの脂肪が乗った二の腕なら簡単に木の枝が刺さってしまいそう。そしたら、この腕から血が出てしまうのか。グロいだろうなー。
そう考えていたら、「あ、あの」と矢田くんが声をかけてきたのでそちらをみると、目を泳がせて頬をピンクに染めた矢田くんがいた。
「あの、急に自分の二の腕をジィッと見て、どうしたの?」
乙女がいる、そう思いながらも「二の腕から血が出るとこを想像してた」と言うと、矢田くんはピンクだった顔を真っ青にしていた。矢田くんの反応乙女すぎだろ。
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