忍者になりたい!

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 矢田くんが私の精神状態の心配を本気でし始める気配がしたので、「や、二階から植木に落ちたら枝木が二の腕に刺さりそうだなーって」と言うと納得したような「まだ諦めないのか」と言うような顔を見せた。  私は「うるさいわ」と言うように彼を睨みつけた。  矢田くん自分のスマホをいじり出したかと思うと、私に画面を見せつけてきた。その画面は「二階から着地」と検索した結果のようで、「5点着地」と言う単語が多く書かれていた。 「これは、何?」 「僕も初めてみたけど、二階から着地する方法みたいだよ?」  私は矢田くんが操作する画面を覗き込みながら疑問を口にすると、矢田くんもよくわからないと言う。知らないのか、と少し落胆しながらスマホを見ていると、矢田くんからワイヤレスイヤホンの片割れを差し出される。 「イヤホン片耳だけプレゼント?」 「んなわけあるか。この5点着地っていうやつの動画があるから見ようとしてるだけ」  矢野くんからのツッコミに感慨深いものを感じながら首を縦に振り、右耳に貸してもらったイヤホンをつける。会ったばかりの頃の矢田くんなら絶対こんな風にツッコミしてくれないもん。  
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