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矢野くんからの「僕も3だから、似たようなものだけど」と言う慰めにもならないような言葉に、「ありがとう」と返すことが出来ない微妙な空気がふたりを包んだ。
なんだ、遺伝子レベルで無理なのだろうか。アクション俳優の娘に生まれればよかったのか。そんなくだらないことを考えながら、ため息を吐くと同時に思った言葉が口から溢れる。
「あー、忍者になりたい」
「今度は忍者なの!? 村田さん」
「いや、忍者の家系に生まれてたら運動音痴でも飛び降りは仕込まれたかなって」
「相変わらず発想が突飛すぎてついていけないや」
そう言ってひょっとこをみるような顔で私を見てくる矢野くんに、私は腹が立ったので犬から猫の皮をかぶって「ふシャァーー」と猫パンチをかます。
当然痛くも痒くもないそのパンチを受けた矢田くんは、苦笑いを浮かべるだけだ。
そんな矢田くんは何かに気づいた、と言うかのような顔をしてわたしに確認をしてきた。
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