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「村田さんってさ、まず二階から飛び降りれるの?」
「え? どう言うこと。わたしに身一つのまま飛び降りて死ねと? 安全装置もないところで」
わたしが矢田くんからの質問の意図が掴めず、思いつくまま疑問を口にする。その言葉は矢田くんのツボに入ったようで、私が言った瞬間から吹き出して現在進行形で腹を抱えている。
矢田くんに「それ、僕と同じことを言ってる。ブーメランすぎ」と笑いながら言われ、「確かに、矢田くんもこう言う気持ちだったんだね」と矢田くんの発言に納得していた。
確かに、前触れもなく「飛び降りたい」などと言われたら「死にたいの?」ってなるね。うん。
そう考えていると、矢田くんが先程のわたしの疑問に答えてくれた。
「自分も二階から飛び降りたことがないからわからないけど、飛び降りる時の浮遊感に耐えられるのかなって疑問でさ」
「飛び降りる時の浮遊感か・・・・・・・。考えてなかった」
「僕は無理だろうからさ」
「なんでわかるの?」
自分では思いつかなかった懸念を提示され、わたしは頭をフル回転させる。「浮遊感」、それは高いところから落ちる時に感じる感覚。二階から飛び降りる時にも少なからず感じるであろう、その感覚。
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