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第五章:今度こそマトモな魔法授業、、かな?
「翔くん、大丈夫かね?たくさん傷が、、。リナがすまないねぇ。わんぱくで困るよ、、。」
リナにみっちり百回全力で殴られたあと、へなへなになりながら逃げたら長老に会ったんだ。そしたら、なんて優しいんだろう、長老っ、、。
「ありがとうございます、、。あ、イテテ、、。」
「染みるかい?」
「はい、、。でも、大丈夫です!」
今、魔法で色々治療中、、。
治癒魔法っていうんだって。
細かな光が散って、長老のしわくちゃな指からこちらに水のように流れてくる。
「もう今はこんな魔法しかできんでねぇ、、。でも、それに比べてリナはとても魔力は強い。我慢して、教えてもらいなさい。痛いとは思うが、頑張るんじゃよ。もし駄目ならこちらにいつでも来ると良い。」
くしゃっと笑う長老。
リナより長老に教えてもらいたい、、。
「あぁ、翔くん。リナにバレちゃうから心の声は出来るだけ声に出すことじゃ。我慢しないんじゃよ。こちらに吐き出してから教えにリナのところに行きなさい。」
吐き出すって、、。
「そうじゃ!そういえばまだ魔法を実践してないんじゃっけ。じゃったらわしが教えてやろう。ほら、こちらに来い。」
「はい。」
私はリナの時より期待しながら長老のもとへ向かった。
「まず、この前リナがやった浄化魔法は、比較的簡単じゃ。黒魔法じゃが、黒魔法にも良いものはあるんじゃよ。さぁ、繰り返してみなさい。」
すると、にこにこした優しい青い目は急に鋭く黄色くなった。
あれ、、?なんか長老の眼って、、、、。
ルキウゲ・ルキウゲ・ロフォカーレ!!
シュッ
ほわわっ
一瞬で指から薄青の綺麗な光を出し、部屋の隅っこに置いてあった淡い黄色の透明な水晶玉に当てた。
すると、水晶玉は共鳴するように色と色がブレンドし、明るい黄緑色に光った。
そして、少し経つと水晶玉は最初とも、共鳴した後とも違う色となった。その時長老は僕のほうへ向かって笑顔で笑った。
「ほら、君も唱えてあの水晶玉に当ててみなさい。あの水晶玉は練習用。色がどんどん変わるんだ。まずは実践が大事だからね。」
「は、はい、、。」
戸惑いながらも唱えてみた。
えっと、、。
ルキウゲ・ルキウゲ・ロフォカーレ
だよな。
さぁっ。
あ、、れ?
なんか、、違う。
これじゃない。
あぁ、そうだ。
フッ。
「光をもたらす悪魔、ルシファーよ。汝、我に黒く明るい力を与えたまえ。そして、何色にも変わる我の心を表したまえ!!!」
ルキウゲ・ルキウゲ・ロフォカーレ!!!!
チュンッ
ほわっ
水晶玉は、、黒いが闇じゃない。とても明るくて、、。見たこともない、何とも言えない黒と変化した。
それにしても、、。
ハァ、、。疲れた。
って、何で僕は、、?
こんな言葉、、知らない、、。
「き、君は、、。」
長老は、うーんと唸った。
いや、声は出ているが、ほとんどぼうっとしている。さっきまでの静かな青い瞳がさらに暗くなって、、。
「君は、、。あの時と同じように、、。僕を闇の淵へ置いていくのか、、?」
え?
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