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ドンドンッ
あれ、足音?
バンッ!
リナ?!
「ちょ、長老!今の、、今のどうしたんですか?!あの私や長老より強すぎる魔力、、。あんな重い気配、感じたことが、、。あれ、長老!どうしましたかっ?!」
その時には、苦しそうな表情で長老は倒れていた。
するとリナは長老に手を当てて眼を閉じた。
「長老、、。心が闇で埋め尽くされているわ。このままだと負けて永遠に眠る、、。これはあれを使うしか、、。あ、そういえば君。まさか強い魔法を出したのって君、、しかないわね。だったら長老に浄化魔法唱えて。私の後に続いてッ!」
え?
あ、あぁ。
僕が頷くとリナの眼は瞬時に赤くなった。紅の燃える赤。
リナは祈るように白くて細い手を組み、目を瞑った。
そしてかっと開けるとそこには先程とは比べ物にならない情熱の朱が燃えたぎっていた。
そして両手を差し伸べる。
ルキウゲ・ルキウゲ・ロフォカーレ!!!
薄オレンジの光を、放った。
明るい、何もかも浄化するような子供らしい色。だけど、それでも澄んでいて凄く綺麗だ。
そしてリナはまだ紅い眼でこちらを見て頷いた。
だから…
僕は両手を差し伸べた。
そして―
フッ。
「光をもたらす悪魔、ルシファーよ。汝、我に黒く明るい力を与えたまえ。そして、我ら人間の心を浄化せよ!!」
Purifiez votre esprit―――.
長老ッ…!
お願いだッ…!
長老は僕の黒くて美しい光とリナの明るく綺麗なオレンジの光に包まれる。
その光景がとてもとても眩しくて、思わず僕らは眼を閉じる。
すると何故か、バサッという羽の音が聞こえ、、。
眼を開けると、そこには穏やかに眠る長老の姿があった。
リナは言う。
「まさか長老が心にこんな闇を持っていただなんて、、。今まで魔法で抑え込めていたのね。でも、これは応急措置。レバーは止まったけど、まだ動く元はあるから、それが触れればきっと今度は抑えられない。もしかして、それ、、。貴方が原因じゃない?」
心配そうに見詰めたリナ。
恥ずかしいけれど、、。確かにそうだ。
そういえば、倒れる前に何か言ってたような、、。
『君は、、。あの時と同じように、、。僕を闇の淵へ置いていくのか、、?』
闇の淵って、、。
何だ?
でも、僕は長老と会ったことはない、、ハズ、、。
『翔。ほら、長、、の、、、に行こうか。』
『き、君は、、。天性の才能が、、。僕の魔力を、、込んで、、、もっと強く、、。』
『どうして、あの子は僕を置いていくんだ、、?グレン、、。お前の子だろ?
教えてくれ。』
『グレン。お前も僕を置いていくのか。そうか、、。だったら、、魔女に、、、、ハハハハハハハハッ!!!!』
あ、、れ?
そういえば、長老の、あの青い水晶のような瞳。
何処かで、、。
『ごめん!本当に、ごめん、、。謝っても駄目だよな。僕のせいでグレンは、、。いや、お前が嫌いな訳じゃなかったんだ。ただ、羨ましくて、、。何も知らない純粋な瞳で可愛いのに、、。』
長老、、。
そうか、長老は、、!
僕はようやく思い出した。
そして、もっと詳しく思い出すために、
記憶魔法、、。
懐かしい記憶を出すのを、魔法に手伝って貰おうと思って僕は暗闇の夢の中へと堕ちていこうと。
おじさん、、。
「Un sogno caduto nell'oscurità
Scatenati adesso,Incontra l'angelo」
そして、にこりと笑う。
目の前にいるリナのangeloも少し、返すように微笑んだ。
長老の手当てをしていたリナはこちらを見て固まり、倒れ行く僕を支えようと―
そこでangeloが僕の瞼をゆっくり閉ざさせた。
僕はゆっくりと、angeloに囲まれ、底のない眩しい光へと堕ちていった―。
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