第一章:妖精のスカウト?!

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『それはね、君が魔力を持っているから。しかも、とっても強い、、。君は合格ね。』 突然何処かから声がした。 鈴のように綺麗で澄んでいる声。 女子、、? でも、こんな声聞いたことないんだが、、? 「だ、誰だ?っていうか、何て、、?」 すると、また何処かからくすくすという笑い声が聞こえてきた。 『さっきからここにいるよ。ずーっと前から。ふふ。』 「え?ここって、、?」 そして僕は後ろを向いた。 「わっ!」 「うわぁぁっ!」 急に誰かが驚かしてきたからビックリして声が出た。 って、、。 後ろにいたのは、とても可愛い少女だった。 同じくらいの歳だが、少し幼いように見えれば、よく見ると大人げがあるようにも見える。 くるんとした睫毛に明るいブラウンの瞳。 その奥の黒には、吸い込むような美しさも添えられている。 そして、ぷるんとした湿ったピンクの唇に、人形のように整った顔。 微笑みは天使のようで、思わず胸の中がきゅっと縮む。 また、整った顔の周辺にあるさらさらした黒髪。角度を変えれば金色にも銀色にも見える。 そしてささやかな小さな胸に、少女を取り囲むラベンダーのような花の香り。 何処かで嗅いだような―。 「ちょっと、なんでずっと見てるの?なにか付いてる?」 あ、長い間少女を観察していたようだ。 ちょっと見たことない顔だったから、ついじっと見てしまった。 なんだ、ちょっと天然な子のようだ。 「いいや、何もついていないが。ところで、君は?」 すると、少女はくすくすとまた笑った。 まるで木々の葉が擦れあった心地よい音のよう。 「え、覚えてない、翔くん?あ、そっか。私が忘却魔法かけたんだっけ。そっかそっかぁ!あ、名前ね!私はリナ。よろしくっ!」 そして首を傾げてにこっと微笑んだ。 あぁ、癒される、、。 可愛い、、。 いやいや、ぼーっとするな僕ッ! 僕の名前を知っていたし、変なこともいってたじゃないか! それを聞かないと! 「あぁ、よろしくな。というか、君は何故僕の名前を知っているんだ?あと、この学校の生徒か?それと、魔法って―?」 「あーっ!うるさい!もう、後で話すからぁ!その前に。君は―」 リナさんは急に真面目な表情になった。 そして凛とした声でこう言った。 「ねぇ、君。私の弟子にならない?今なら無料で教えてあげるよ?」 リナさんはウインクをして僕を見つめた。 「は、はぁっ?!急に現れたくせに自分に弟子になれと?はあーっ!?それこそ、嫌だね!まず、何を教えようとするのさ!勉強だったら自分で出来るからいいって!」 ちょっとウインクが可愛すぎてちょっと焦って言ってしまった。 あぁ、言い過ぎちゃったなぁ。 すると、リナさんはぷくぅっと頬を膨らませて言った。 「何言ってるの。魔法(・・)を教えるに決まってるじゃない。ならないのなら、他の子を捜すわよ。」
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