114人が本棚に入れています
本棚に追加
ふふっと軽い笑い声と長谷部さんの手が差し出されて、思わず口をつぐむ。
「本当に正直なんだね。
今日は、僕も楽しかった。良かったらお付き合いしてくれませんか?」
彼の手を取り、はいと返事をした。
初めての彼氏ができた瞬間。
ギュッと手を握られたら、胸がきゅぅんと音がして驚いた。
「良かったぁ。今度は休日に出掛けようね。
じゃあ、気をつけて」
階段を降りて、後ろを振り返り姿が見えない事を確認してからすぐに西島さんにメールした。
『おめでとう〜!!
はじめての食事でしょ?!
婚活で相手探すって、もう結婚前提のお付き合いってことじゃん!羨ましい!!』
ずっと彼氏がいる西島さんに羨ましがられて、まだ実感がなくてふわふわ飛んでいる喜びが、体の中に入ってくる感じがする。
『見た目違うけど、出逢ってすぐに告白してくるような肉食系なのに、婚活に来てるのが不思議な気もする』
おめでとう〜彼にすっごく気に入って貰えたんだよ!等々言ってくれたけど、少し触れた彼女の疑問は、彼氏ができた事に浮かれてマイナス思考が働いてなかった私の気持ちをコツンッと叩いた。
最初のコメントを投稿しよう!