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予約してくれた丸の内のイタリアンに10分前に着いたのに、長谷部さんは先に腰掛けていた。
照明が落とされ、テーブルでキャンドルの火が揺らめくお洒落な店だ。
しっかり覚えている、あの綺麗な歯を見せて私に気づいた彼は軽く手をあげて合図を送る。
先に着いて少し落ち着こうと思っていたのに、もういるなんて。
鼓動がさらに跳ね上がり、顔から火が吹きそうだ。
「お疲れ様」
「お待たせしちゃってすみません」
「俺も今来たとこだよ。お酒飲める?」
私には、こんな会話ですらが嬉しくて、ドキドキが止まらない。
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