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あっ馬鹿! 普段丸の内を堪能してないのバレたよね… 適当に話し合わせてると思われちゃったかも。 「えっと…家にまで押し掛けたりしないから安心して? 今日はここで失礼するね」 「違う違う、違います!すみません! そういうつもりじゃありませんから。家にまで来て貰っても構いませんし…いや、今日はやっぱり駄目ですが…」 私が、ここでよいなんて強く言ったものだから、嫌がってるかと勘違いしたみたいだ…どうしよう… 慌てる私を即す事もなく、優しい眼差しで待っていてくれる彼の顔を見たら、想いが溢れてしまった。 「すみません。 私、いつも地下鉄を通って通ってるから、長谷部さんの言う丸の内の雰囲気は実は毎日味わってなくって」 「あっ、そう言う事? そんなの別に気にしないよ」 「あの、でも今日は長谷部さんと一緒に歩けて、すごく楽しくてさっきはつい。 家にも来て貰いたいですけど、もっと綺麗にしてから…」
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