魔物の声を聴け

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僕の毎日はすることが何もない日々だ。 ただ寝る前には必ず新聞の株式欄を開く。 東証一部の欄から以前に僕が代表取締役を務めていたジャリスポというスーパーの株価をチェックして一喜一憂する。 今思うと本当に嘘みたいだが、確かに昔僕はあそこの社長だった。 しかも、就任したときまだ20代で異例の若さだった。 そして、誰もが驚くくらい大胆に改革を実行、売上を一気に回復させ奇跡とまで言われた。 なのに、僕は辞めてしまった。 それは内なる魔物に取り憑かれてしまったからだ。 それからスマホで飲食店のような関連会社の株価を見ていく。 ニュースにグループ会社の情報が出ていないかも見る。 1社でも問題を起こしたり株価が大きく下がっている所があれば、寝付くのにすら苦労する。 毎日家にいるだけなのに、心配すべきことが色々と頭の周りをぐるぐる回っている。 まるで太陽の周りを回る惑星のように。 これからの人生は良いことなんて何も無い、なんて思っていたりする。 それを感じるだけですごく疲れる。 一体どうすれば良いのだろう。 ずっと同じ毎日を続けていても仕方がない。
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