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夜になって桜子が俺の部屋に来た。早速2人で夕飯の準備を始める。
桜子は親子丼を作ってくれるらしい。
桜子の作る親子丼は鶏のもも肉と長ねぎを使っていて、仕上げに刻んだ焼き海苔を散らして出来上がりだ。
俺の実家では長ねぎではなく玉ねぎを入れて、仕上げにグリンピースをトッピングしていた。桜子の親子丼を最初に食べた時、家庭によって作り方も違うんだなあと思ったものだ。
俺はサラダと味噌汁を担当する。
サラダは冷蔵庫にある野菜を刻むだけの簡単な物にして、味噌汁は、じゃがいも・しめじ・キャベツ・油揚げの具だくさんにした。
食事をテーブルに並べ、手を合わせて「いただきます」と言って食べ始めた。
「うん! 桜子の作る親子丼、やっぱり俺好きだわ」
「ふふ、ありがと。智明くんのお味噌汁も私好きよ。具がいっぱいだし」
そして食後にコーヒーを飲んでいる時だった。
テーブルに乗せていた桜子のスマホから通知音が鳴った。
画面が明るなって通知が映ったのが見える。
もちろん、内容までは見えない。
桜子がスマホを手に取って通知をちらっと見ると、自分のバッグに入れた。
やっぱり俺に見られないようにしてるように感じた。
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