新展開

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隆也と幸ちゃんはやっぱり幼馴染だからなのか、時々俺には分からない単語でやりとりしていたりもするけど…。まぁそのうちもっと仲良くなったら教えてくれるのかな?なんて。 そんなこんなで平和な日々を過ごした俺は、あの日の嫌なことも忘れかけていた。生徒会の親衛隊の子たちらしき可愛い顔した男の子立ちからは未だに睨まれたりするけど…。 そんなある日、放課後帰ろうと支度してたら葵さんがやって来た。葵さんの後ろには親衛隊らしき子達がきゃーきゃーいいながら野次馬しにきていて、葵さん目立つの苦手だって言ってたのに大変だなぁ……とぼんやり思っていた。 「夏澄くん。ちょっといい?」 「俺ですか?」 葵さんにちょいちょいと手招きされ、俺が葵さんの元へ行くと後ろの親衛隊の子達が俺を面白くなさそうに見てくる。……う、この視線には慣れない……。 「今から生徒会室に来れない??」 「…今からですか?大丈夫ですけど…」 最近生徒会の人達とはあまり関わりがなかったので、なんだかとても久しぶりのような気がする。俺の返事を聞くと葵さんは少し後ろを振り返り、親衛隊の存在にはぁっと周りに聞こえないくらいのため息をついた。 「……ごめんけど、今から生徒会室に行くから。」 葵さんがそう言うと親衛隊の人たちは顔を赤らめながらささっと散り散りに解散していく。 葵さんって、俺の前では穏やかで優しいのに親衛隊の人達に対しては表情が冷たいんだよなぁ。ずっと嫌なのに追いかけられたんじゃそうなっても仕方ないのかもしれない。 いこっか、と微笑む葵さんと一緒に俺は生徒会室へ向かった。蓮に生徒会室に葵さんといく!とLINEを入れて、歩を進めた。
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