新展開

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俺は両手を広げている涼宮先輩に思い切り飛び込んだ。勢いよく飛びついたからか多少ぐらついたけど、それでも倒れたりしない所に体格差を感じてムカつく。 なんでイケメンは皆背が高いんだよ??何食べて生きてきたんだろ。高身長爆ぜてしまえ…! そのまま力強く抱きしめられると、なんとも言えない安心感。神宮寺先輩がハグにはストレスを緩和する力があるって言ってたけどあれ本当なのかもなーなんて考えてしまう。 まぁ、出来れば女の子とハグしたいんだけど女の子がこの場にはいないからしょうがなく…しょうがなく、神宮寺先輩とか涼宮先輩とかとハグしてあげよう、って自分に謎の言い訳をしてみた。 「もー、そんなにハグがしたいなら神宮寺先輩と涼宮先輩でハグしとけばいいじゃないですか〜。」 俺がそういった途端、それを想像したのか涼宮先輩と神宮寺先輩は「有り得ない」という顔だ。同じく想像したらしい葵さんは、口元に手を当てて微かに方を震わせ笑いを堪えきれない様子だった。…確かに想像したらちょっと面白いな。 「冗談はよしてください夏澄さん、なんで私がこの我儘生徒会長と…」 「それはこっちのセリフだっつーの!お前みたいな腹黒、誰が!」 「誰が腹黒ですか口を慎んでくださいぶん殴りますよ」 ……神宮寺先輩って腹黒なの?そうは見えないけど…。 「はぁ、やっぱり夏澄くん面白いね。この2人にそんなこと言って…」 葵さんは笑いを我慢するのに疲れたのか笑顔のまま俺に話しかけてくる。 「とにかくその…犯人?捕まえてくれてありがとうございました」 俺が大人しくお礼を言えば満足そうな2人の顔が目に飛び込んできてじんわりと恥ずかしい気持ちが湧き出てくる。 …もしかして俺この2人に結構可愛がられてる?? そう思ってしまうくらい親切にされている気がする…。涼宮先輩は我儘暴君らしいけど俺の前じゃ普通のいい先輩だし(初日にキスしてきたのは許さないけど)、神宮寺先輩だって腹黒とか言われてたけどただの優しい先輩だし…。
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