新展開

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「じゃあ蓮は誰とペア組むの?」 「……カスミと組めないならもう誰でもいいっちゃいいんだけど…。俺、こんなんだから先輩の知り合いとかもいないし怖がられちゃって」 「ん〜……あ、そうだ!!颯斗先輩……涼宮先輩がペア探してたぞ!」 俺がそう言うと気持ちよさそうに撫でられていた蓮がうげ、という顔をする。 「やめてよカスミ!なんで俺があんな奴と…!」 「なんでそんなに涼宮先輩毛嫌いするかなぁ……?喧嘩売られたから??」 俺がそうため息をつくと、また蓮はぶすくれた顔で視線を逸らした。 「だって、カスミにキスしたもん…」 蓮の口から呟かれた言葉に耳を疑う。 「えっ、なんで知って……!言ってないよな……?!」 「そんなの皆知ってる……あの生徒会長があんな目立つトコでキスしたから。この学園じゃ生徒会長はユウメイジンだから、あっという間に噂広がるし……」 嘘だろ……。俺は周りから生徒会のお気に入りだと思われているくらいにしかおもっていなかったけど、皆は俺が生徒会長とキスしたって言うことを知った上で見てたのか……。 普通に男とキスしたなんてのが噂になって全校生徒が知ってるなんて鬱すぎる。 「ま、まぁ、確かにアレは最悪だったけど、その後は良くしてもらってるしさ。ほら、俺に痴漢?してきた3人組も探し出してくれたって」 「…う゛……。」 蓮はそれを聞くと考え込むうな素振りをして、大きくため息をついた。 「……カスミがそういうなら…。でも、アイツも俺の事嫌いだと思うから断られるかも…」 そんな蓮に大丈夫だって!と声をかけながら、俺は携帯で颯斗先輩に電話をかけた。 いくつかのコール音のあと、疲れたような声が電話口から聞こえた。
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