親睦会

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「なっ、なんで先輩まで俺を指名するんですか?!」 俺がそう言うと、颯斗先輩はじとっと俺を睨む。 「んだよ。俺が嫌なのかよ?」 嫌なわけねぇよな??と言わんばかりのその視線に、俺はたじろいだ。 「いや…その。颯斗先輩が嫌とかじゃなくてですね…親衛隊にまた嫌われるなって……」 「…まーそれはちょっとお前からしたらアレかもしんねーけどよ。慣れとけ、それにも。将来的に」 「将来的……???」 何故か少し照れくさそうな顔をする颯斗先輩に首を傾げる。 「あ、そういえば捕まった人はどうすればいいんですか?」 「捕まった人は体育館に集合だよ。いこっか」 葵さんが指を指した方向にはバカでかい体育館が見えている。なるほど、体育館に集まって終了を待つのか。でもあと3時間もあるのに体育館で待つだけなんて暇だなぁ…。 1位になるためにまだ番号札を集めると意気込む蓮と颯斗先輩に手を振った後、ちょっとだけあの2人が1位になりませんように…と願掛けをしておいた。 「それにしても惜しかったですね〜、あと3時間くらいだったのに。まぁ、でも葵さんも俺も勝ち残ってもデートに誘いたい人いませんしね」 体育館に歩きつつ葵さんにそういうと、葵さんが少し考えるような顔をする。 「うーん…確かに最初は誘う人いないなって思ってたんだけど、今は出来たからちょっと残念かも」 「えっ!本当ですか?そしたらもっと頑張ればよかったです」 俺がそういって申し訳ない顔をしていると、葵さんがじっと俺の目を見た後微笑んだ。 「誘いたい人、香澄くんだよ」 「俺ですか!?」 またもや素っ頓狂な声を上げる。最初は冗談を言ってるのかと思ったけど葵さんの様子からしてそんな感じはない。……もしかして俺、モテ期? 葵さんってそういう事言うタイプじゃないと思ってたのに、今日はなんだか葵さんがすごく…なんというか…グイグイ来るというか…。 仲良くなれた証なのかなって思えば嬉しいような気もするけど…。
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