記憶喪失と学園生活

デート

その後3日くらいはひたすら大変で、あの生徒会長に指名された橘香澄をどんなもんかと見に来る生徒たちが教室を覗きに来てジロジロ見られて心底疲れた。

見に来た群衆を横目で見たら何故か生徒たちからヒューッと口笛吹かれたり手を振られたりうっとおしすぎて途中からは見ないようにしていた。

それもこれも、蓮が迎えに来て周りに睨みをきかせれば散り散りに去っていくから、俺はなるべく蓮にひっついて回っていて蓮が嬉しそうにしてたり。

颯斗先輩は親睦会の後処理に忙しいとかで全然顔見せないし……。あんだけ注目浴びさせることしといて。

それに俺を颯斗先輩が選んだからか、颯斗先輩の親衛隊の可愛い顔した子達から睨まれたり廊下でぶつかられたり軽くこづかれたり女子みたいな軽い弄りを受けたりしているんだけど、そこまで被害もないし報告する内容でもないし黙ってる。…ちょっと嫌だけど…。

そんなある日、颯斗先輩から1件のメールが入った。デートの日にちが決まっただとかで、土曜日に校門に朝10時集合。蓮にもその事を伝えたけど、今から2人が喧嘩しないか心配すぎる。

大体デートってなんだ。何をするんだ…。男3人でどっか出かけるんだろうけど、当日のお楽しみにとか言われて教えてくれなかったし。

俺は8割の不安と2割のワクワクを持ったまま、その日を待った。