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彼女の云う通りに、紅い悪魔の足元には枯れた向日葵があった。白い天使の声が早かったからか、彼女と違って紅い悪魔は転ぶ事が無かった。お陰で枯れた向日葵を除けば、雪の絨毯は凹みも無く、平らのままだ。
紅い悪魔は白い天使の居る方へ振り返る。
「意外ね、天使のあなたがそんな事を云うなんて……いや、天使だったわ。人間みたいに思うところがあるのかしら?」
白い天使は紅い悪魔へ投げた言葉に、自分の事ながらちょっと驚いていた。それから初めて微笑を浮かべた。
「……そうね」
彼女に情がうつったからかもしれないわ。
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