26人が本棚に入れています
本棚に追加
2
昼休みになり周囲がめいめいに弁当を広げる中、僕が取りだしたのは弁当ではなく本だった。
四時間目の物理が始まる前にカロリーブロックを食べたので、空腹は感じていなかった。僕はその時の気分で昼休みの過ごし方を決める。今は本を読みたい気分だった。
だが僕が本を開くよりも中溝が声をかけてくる方が早かった。
「唐木田くん。お昼は食べ終わってる?」
「ええ、まあ」
「じゃあもし用事がなかったら、高峯くんに学校を案内してもらえませんか。僕は職員会議が入ってしまいまして…」
「別にいいですよ」
「ありがとう。助かるよ」
「でも中溝先生、どうして僕なんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!