1 ざわめく春夜

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        2  昼休みになり周囲がめいめいに弁当を広げる中、僕が取りだしたのは弁当ではなく本だった。  四時間目の物理が始まる前にカロリーブロックを食べたので、空腹は感じていなかった。僕はその時の気分で昼休みの過ごし方を決める。今は本を読みたい気分だった。  だが僕が本を開くよりも中溝が声をかけてくる方が早かった。  「唐木田(からきだ)くん。お昼は食べ終わってる?」  「ええ、まあ」  「じゃあもし用事がなかったら、高峯くんに学校を案内してもらえませんか。僕は職員会議が入ってしまいまして…」  「別にいいですよ」  「ありがとう。助かるよ」  「でも中溝先生、どうして僕なんですか?」
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