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確かにアキラの右隣の席は僕だが、左隣の席の新田も暇を持て余しているようだ。単に「隣の席だから」という答えならばそれで満足だったが、尋ねてみたくなった。
「なんとなくだよ」
なんとなく。中溝のような論理的な男から出た言葉に一瞬面食らうが、朝のホームルームで僕がアキラに微笑みかけられていたのを見たからだろう、と無理に納得する。
そして中溝が教室を出ていくと丁度そこにアキラがやってきた。
「高峯くん、もうお昼ご飯食べる? もしよかったら学校の中を案内するよ。中溝先生に頼まれたんだ」
「ありがとう。じゃあお願いしていいかな。お弁当はあとで食べるよ」
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