煙草と幸せ

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今日は、気分が落ち着かなくて、部屋の中をぐるぐると歩き回っていた。その間、自分の腕に爪を立てたせいで、痕が出来てしまっていた。血が流れてきそうなほどだった。しかし、2時間後に恋人が来る予定だ。このままでは、会うことができる気がしない。出来たとしても情緒不安定な姿を見せて、心配をかけてしまう。 悩んだ末、サンダルを履いて、コンビニに向かった。着いてそうそう、レジに並び「23番1つ、後ライターも。」と店員に言い、受け取るなりポケットに突っ込んで、そのまま家に帰った。 最近は吸ってなかったのになと後悔と罪悪感を少し感じたが、落ち着かない気分は変わらず、ベランダに行き、煙草に火をつけた。 日は沈み出していた。綺麗な茜色に染まっている。そんな綺麗な景色でさえ、残酷なものに思える。最近、あの頃と同じような時間に置いてかれる感覚がする。多分、焦って、何かに囚われすぎているのだろう。どうせ自分のペースでしか歩いていけないんだ。自分のペースを取り戻さなければ、足が縺れて転ける前に。
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