鈍感な俺だけど恋できますか

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鈍感な俺だけど恋できますか

 県立三沢高等学校。偏差値でいうと中の中、いや、中の下。まぁ下の上か。在籍比率は女子が7割、男子が3割。元は女子高だったらしい。 俺がこの高校を選んだ理由も、もちろんそれだ。女子、女子、女子、女子!!女の子に囲まれて高校生活をエンジョイ!つかjoyすんだよっ!!ったりめーだろ!! やたらくっつきたがる幼なじみと一緒に登校! なぜかそれを背後から見つめる学級委員長! らっきースケベ要員の巨乳スポーツ系女子! やたらひん曲がった性癖のお嬢様! ツンデレにドジっ子属性付きのツインテ少女! 非の打ち所の無い完成系完璧ヒロイン! そうっ!俺は こんな女子達に囲まれて 毎日毎日毎日毎日・・楽し・・ ・・なんか馬鹿らしくなってきた。 幼なじみいねーし俺。学級委員長は男だしうちのクラス。 えっ・・もしかして何もないの? 入学から半年たってるけど? 別なとこは毎日たってるけど? な、なんでだよ 周り女子だらけだよな クラスの7割女子だぞ このままじゃダメだ なんとかしなきゃ なんとかって? なんとか出来たらこうなってなくない? 「はぁ・・」 もう転生するしかないよねこれ。 その方が作者も楽じゃん。 都合の良い世界にランナウェイしようよ! 何か勇者様ぁみたいなー! ご奉仕させてくださいーみたいなー! 毎晩毎晩宿屋でパーリナイしようぜー! 「何?もしかして朝から妄想?やばくない?」 そう言って話しかけてきたのは、さっきの妄想美少女達とは、1800°くらい掛け離れた、ただのクラスメイトつか顔見知りの神無月千尋だ。 「何だ。お前は俺の頭の中が見えるのかよ」 普通に黙ってお淑やかにしてりゃ、そこそこ可愛いんだ。彼女が欲しい男子高校生100人が閉じ込められた檻の中にいれたら、105人くらいには付き合ってくださいと告白されておかしくないレベル。 「見える見える!それに朝から私の太ももガン見して、徐々におっぱいを凝視するそのヤラシイ目。最低」 な。こういうところだ。盛りのついたプードルみたいなもんで。どこをどうしたら、こういう勘違い先行型の量産機が作られてしまうのだろう。 「なるほど。だんだん視力が落ちてるのはそのせいか。よし。明日から俺の視界半径10m以内に入ってくんな。わかったか」 「むかつくー!ふんっ。誰にも構われないから、優しくしてやってんのに!べーっ」 はぁ・・。 神無月はぷんぷん怒って席に戻って行った。あの中途半端な間違った勘違いエロさえなきゃなぁ。 「はーい。席に着けー!」 担任のご登場だ。三雲由理奈。31歳。独身。これ以上は興味がないので知らん。スタイルはいいし、美人なのに何故か行き遅れてるのは、たぶん内面的な何かが問題なんだろう。知らんけど。 「今日は転校生を紹介するぞー!入ってー!」 転校生?この時期に?まさか!これは! 金持ちお嬢様で、五つ子で、でも頭は悪い!からの家庭教師的な!!やっと始まる俺のヒューマンサクセスストーリー・・ ・・男だった。以上。 なんてつまらん。非常につまらん。席も丸っ切り反対だよ。モブを転校させてきてどうすんだよ馬鹿作者。ちょっと考えろってんだよ! 「はぁーー」 なんだかなぁ。女子と仲良くしたいだけなんだが。 100人のうち70人が女子なんだよこの学校。 どうして友達すら出来んのだ!!くそっ!! 「ちょっと。次、音楽室だよ。遅れるよ」 また神無月か。半径10m以内にって朝・・。 あれ。待てよ。 「何?どうしたの?」 こいつよく見たら・・おっぱいでかいし、太ももだって丁度いい・・。顔だって悪くない。髪型をもう少し芋から抜け出せれば、相当な逸材なんじゃ・・ 「ちょ、ちょっと!何ほんとにイヤらしい目で見てんのよ!恥ずかしいでしょ!」 顔を赤らめながら、胸と太ももを腕で隠し、内股で佇むその姿・・。神無月!!いいじゃないか!! 「よし。行こうか。千尋」 「ち、ちひろっ!?何よ急に!」 益々、顔を赤くして恥ずかしがっている。もしかして。こいつ、俺が好きなんじゃ!? 「いいから行くぞ。千尋。ついて来いよ」 「ま、待ちなさいー!もう!馬鹿!秀人の馬鹿!」  
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