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うちの学校は汚い、ボロい、臭いの三拍子が揃っている。昭和中期に建てられ放置されて久しい。やがて県の重要文化財に認定され兼ねないだろう。
しかし、学食の飯は一級品だ。それも安い。元女子高という事もあってか、食堂だけは改築され、中々どうして綺麗で、どの席からも海が見渡せるカフェ調の食堂なのだ。
「今日の日替わりは・・チキンカツかハンバーグだと?そんなもん!」
ラーメンに半チャーハン。餃子が2個ついて480円。たまらん。土日も来たいくらいだ。
席は大体決まっている。左奥の二人がけテーブルエリアの一番海側が俺の指定席だ。給水機からも近く、海を見渡せる絶好の場所だ。
「いただきます!」
「なんだ。どうした。俺の唯一の楽しい時間を邪魔するな」
「何今更!何回言うのよそれ!あっ餃子もらい!」
「あ!おまっふざけんな!」
「早く食べなよ!伸びるよ!」
説明しよう。今、目の前で俺の大好物の餃子を、醤油も付けずに一口で食べ、尚且つ、俺の至福のひと時を打ち壊しまくる女・・。東城みちるである。
中学一年の時、同じクラスだったが、その後クラス替えで別々になり、それ以来一度も交流はなかったのだが・・
高校に入ってしばらく、この席で食事を摂るルーティンが当たり前になった頃、いきなりこいつは現れて前の席に座り出した。というだけの話。
何故、ここに座るのか。別のクラスだし、この時間以外は接点などない。友達がいないのかと思ったらそんな事もない。意味がわからん。
「ねぇもうすぐ中間!勉強してる?」
日替わりAランチのチキンカツを旨そうに頬張りながら、山盛りライスをかっこんでいる。女子だよね君・・。
「まあな」
「山城って頭良かったよね?教えてよ!」
あっ俺の名前を名乗っていなかった。山城秀人。やましろひでとだ。
「なんでお前に教えにゃならんのだ」
「いいじゃーーん!親睦を深める為にもさー!」
東城は中学の時からモテる。おっぱいがでかいとか、スカートが短くてドキドキするとか、ブラ透けすぎとか・・つまり隙がある。これがわざとなのかどうなのかはわからんが・・いい女なのだ。
「俺とお前が親睦を深めてどうするってんだ」
「色々!schoolなんとかに発展したり?」
「するか」
「ぷー!いいよもう!折角!」
怒ってまたチキンカツをパクパク食べ始めた。正直、たまらんす。ピンクのブラ透けまくってるし。ブラウスのボタン外し過ぎだろ・・。全く。
俺は清楚が好きなんだ。
ヤリマ○びっ○に興味はない。
なんで東城が俺と飯を食うのかだけが
よくわからんくて引っかかってはいるが。
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