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奈々の周りにクラスメイトが群がる。転校生だから仕方ないんだろうけど・・。哀れなのは昨日転校してきたモブ君だ。一日にして、転校生バフが解けてしまったんだからな・・。見ろ、席で泣いてるぞお前ら・・。
にしても一人一人の子の目をきちんと見て、丁寧に応じているのがわかる。なんていい子なんだ。あぁ・・君に出会えて、僕は幸せだよ奈々。
「何その顔・・羽山さんそんなに気になるの?」
「またお前か!視界を塞ぐな!天使が見えんだろ」
「何であの子、秀人の事、知ってるのよ??」
「そりゃ運命で結ばれた2人だからさ!あーっはっはー」
「(ダメだ・・完全にやられてる。こうなったら!)あんた、今の顔、鏡で見てみなさいよ!だらしない!」
千尋が鏡を差し出し、俺の顔を映し出した。そこにはデレデレ顔で、緩みまくった、だらしない顔の俺が映っていた。
「なな・・羽山に釣り合わないよな俺なんか。確かに・・。あんな天使に俺なんかが・・」
「(今、ななって言わなかった??何よななって!)そ、そうねぇ!あんたなんかじゃ無理よねぇ。私くらいよ。あんたに釣り合うのなんて・・ていないし!逃げたなー!」
はぁ・・確かに。俺なんかじゃ・・。
あんな可愛いんだし、前の学校に彼氏とかいるんだろなぁ。それもきっと、イケメン金持ち成績優秀でスポーツ万能、メンズノン○とかの読モとか・・。
「秀人くん!」
えっ
「どしたの??顔、真っ青だよ?大丈夫?」
奈々が心配そうに、俯いた俺の顔を覗きこんだ。
「あっー!大丈夫!全然大丈夫!羽山さんこそどうしたの?」
すると羽山さんが頬をぷくっと膨らませて言った
「羽山さんじゃないよー!奈々でしょ!ぷー!」
あぁ・・ダメだ。可愛い。死ぬほど可愛い。
語彙力がなくて表現しきれん。すまん。可愛い。
「ご、ごめん!な・・奈々!」
「ふふっ良かった!元気になって。ほら。二限始まるよ!いこ!」
「な・・何よ今の・・。奈々って・・。」
廊下の角から覗き見していた凛がワナワナワナワナワナワナし出す。
「あの羽山奈々って子・・危険すぎる!」
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