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すると坊主頭は相棒である俺の好奇心を煽った自覚があるのだろう、その上で俺の行動力を知ってはいるから、恐らくそれを抑える事を兼ねて「俺の護衛対象を貶すわけではない」としたうえで、自身が守るべき相手を器用貧乏と評する。
回りくどい表現の上に明言はされてはいないのだが、俺はそれでユンフォ・クロッカス卿が、副官時代に親友に対してこの出来事が発生した当は知らせてはいなかった事を察した。
そこまで想像力が豊かなつもりはないが、チューベローズ・ボリジ卿が厳しいながらも公平で配慮ある形で、現在でも当時の教え子たちに慕われる形になるような教鞭を執っていたり、平定前後の極若い時期には、まだ後の伴侶で"貴族となるきっかけ"ともなった、夫人マインドとは、顔見知りであったかもしれないが勿論恋仲でもないという情報は、貴族として知ってはいる。
まあ、社交界の方で淑女マインドが、平民でありながらも優秀なチューベローズ・ボリジ青年を密かに慕っているというのは公然の秘密でもあったそうだ。
ただ、貴族の界隈では当事者さえ良かったらという前提だが、優秀な人材なら平民といえども(裏であーだこーだはいうのだが)一族に迎え入れるというのが、一般的ではないにしても無きにしも非ずとなる。
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