ウサギの賢者と新人兵士のアルスくん 特典sample6

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そういった様々な憶測を盛り込んで、最終的にチューベローズ・ボリジ卿の一番の親友である庶民派貴族のユンフォ・クロッカス卿の語りを聞いて、俺の相棒(パートナー)が口にしたのは 『相手の事が本当に好きで幸せを願っているからこそ、自分で考えられる範疇で相手の困る事はしないのだろうさ』 という、よくわかるような判らないような理屈らしい。 そして、この理屈がアングレカム・パドリック卿、チューベローズ・ボリジ卿、その双方ともに当て嵌まると、この国の賢者の影武者対象に選ばれた原因の1つにもなったという長い指に煙草を挟んで、その切先から出る煙を器用に2つ節を出来るに動かしてそんな事を口にする。 ただその理屈からすれば、アングレカム・パドリック卿はバルサム姫の幸せと喜ぶことを願っているからこそ、南国の美女の英雄との関係については一旦置いておく事にしても、実物を見た覚えはないが、話に聞く限り"珊瑚で作られた精霊石のランプ"はきっと素敵なもので、一般的な淑女(レディ)なら眼を輝かせて喜ぶものなのだろう。 アングレカム・パドリック卿はバルサム姫に贈る誕生日祝いとしては悪気はなかった、ということだろう。
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