ウサギの賢者と新人兵士のアルスくん 特典sample6

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そういった形で"きずつけてしまった"ということで嫁にしてチャラにしてあっさり受け入れるというのなら、それまでやって来たことが我慢と例えるのも阿呆らしいし、無駄にも思えるはなんだったのか。 そりゃあ、大泣きして贈り物を床に叩きつけてぶち壊して、という行動は物凄く大層な物だとは思う。 けれども、行ってしまえばそれだけでしかない。 国王陛下の姪っ子で、年齢的なつり合いは平民の出自から見たのなら常識にあみて余りありえない、けれども、貴族なら親子ほど年の離れた事など「それで?」で済ませてしまえる。 多分、アングレカム・パドリック卿は親友の姪の事を考えて、自分なりに幸せになって欲しいとは思っているのは確実だった。 それでも間違えてしまって、副官から諫めの言葉を貰った事で、それを十分に理解が出来た。 それから全て丸く収まって……という結果を、素直に受け入れる事が俺自身で許可できない。 そういった一切合切を、俺の相棒(パートナー)である坊主頭(ロハンジ)の口癖でもある、「しょうがねえなぁ」と思わず口に出してしまえるような具体的な何か、公に認められるような出来事がなければ。
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