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海辺の公園に、今日も音羽の、綺麗なヴィオラの音色が響く。
日曜の夜でも人が全く居ない小さな公園は、住宅街の外れと言う事も有るだろう。そのお陰で、音羽は誰にも邪魔されず、心置きなく演奏をする事が出来る。
しかし今日は、生憎邪魔者が入った。この邪魔者が穹ならば、音羽は喜んで迎え入れただろうが、そうではない招かれざる客なら、容赦はしない。
「招待状は持ってるの?入場チケットが無いなら、帰ってよ。目障りだから。」
ピタリと演奏を止め、冷たい口調で言い放つ。
ゆっくりと後ろを振り返ると、険しい顔をして立っている悠木を、冷たい目付きで見つめた。
「お前が音羽?本当、白井とそっくりだな。」
悠木は少し緊張した趣で言った。音苑の時に感じた不気味さを、音羽からも感じてしまう。
始めて見る顔に、音羽は少し首を傾げ少し考えると、「あぁ・・・。」と理解する。
「君が渡瀬悠木君?穹から話を聞いたんだ。今日は穹とデートじゃなかったの?」
初対面にも関わらず、音苑と同じ様に、全てを知っている様な口振りで言って来る音羽。悠木は更に不気味に思うと、一段と険しい表情を浮かべた。
「てか、何でお前まで知ってんだよ?俺の名前まで・・・。」
「音苑が楽しそうに、話してたから。」
音羽の答えを聞き、悠木は納得をすると、少し緊張が自然と解れた。
「それで、僕に何の様?邪魔なんだけど。」
相変わらず無表情で、冷めた口調で言う音羽は、いつも笑顔の音苑と対比している様だ。
悠木は戸惑いながらも、穹について音羽に尋ねた。
「あいつは全部話して無いって、白井が言ってたから。お前、穹の事で何か知ってんなら、教えてくんない?」
「どうしてそんな事聞くの?」
逆に音羽に質問をされると、悠木は照れ臭そうに頭を掻きながら答える。
「その・・・。白井の事諦めさせてやりてーんだよ。あいつに関わるの、穹にとってはよくないと思うからさ。」
悠木の言葉を聞いた瞬間、音羽の目付きは、更に氷の様に冷たく変わる。
「音苑の言っていた通り、君は泥棒猫なんだね。渡瀬悠木君。」
「は?泥棒猫って・・・何だよそれ?」
戸惑う悠木を余所に、音羽はゆっくりと悠木に近づくと、冷たい口調で淡々と話し始めた。
「君は穹の悩みを聞いてあげて、穹の為に音苑から救おうとしてあげてるんだ。一緒にコンサートに行ったり、並んで歩いたり、笑ったり、喧嘩したり。いつも穹の隣に居るけど。」
音羽は悠木の目の前に立つと、右手に持っていた弓を、悠木の首元に翳した。悠木は後退りをするも、音羽の冷たい目付きにゾッとし、その場に固まってしまう。
音羽はジッと悠木を睨み付けると、囁く様に言った。
「そこは僕の席だ。君の席じゃない。穹の隣に居ていいのは、僕だけだよ。」
クスリと微かに笑う声が聞こえると、悠木は得体の知れない恐怖感から、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
音羽はゆっくりと翳した弓を下ろすと、また無表情へと戻る。
「たかが一年とちょっと仲良くした位で、穹の友達面しないでくれる?穹の事何にも知らない癖に。穹の友達で居ていいのはね、僕だけなんだ。一緒にコンサートに行ってたのだって、僕とだったんだから。後から湧いて出て来た癖に、邪魔だよ。」
「何訳の分かんねー事言ってんだよ。誰が友達かなんて、穹が決める事だろ。お前等兄弟揃って、頭イカレ野郎だぞ。」
負けずと悠木も音羽を睨みつけて言うも、音羽は動じる事無く、「そうだね。」と言い、そっと悠木から離れた。
音羽はベンチに置いたケースへとヴィオラを仕舞うと、そのまま自分もベンチへと座る。足を組み、未だ睨みつけて来る悠木を冷めた表情で見つめると、首を傾げながら言った。
「でも僕の場合は、自覚の有るイカレ野郎だけど。音苑は自覚の無いイカレ野郎。この差は大きいよ。」
「俺からしたら、どっちも同じだよ。」
「同じじゃないよ。自覚が無いとね、言われた事をそのまま素直に受け止めちゃって、実行するんだ。自覚が有るとね、もっと面白い方法は無いかって探すんだよ。」
悠木は音羽の話しを聞き、穹の話を思い出す。確かに音苑は、穹の言った適当な言葉をそのまま鵜呑みにし、実行した。ならば自覚の有る音羽だったら、どうするのだろうかと不安が過る。
音羽はクスリと小さく笑うと、悠木の心でも読んだかの様に、楽しそうに言った。
「自覚が有る場合、どうするか教えてあげようか?これは穹も知らない話。特別に、教えてあげるよ。」
不敵に微笑む音羽に、悠木は恐怖感を覚えると、薄らと額に汗が滲み出て来た。
「何だよ・・・それ・・・。」
恐る恐る言うと、音羽はクスクスと不気味に笑い始める。
「あぁ、でもこの話を聞いたら、きっと君は困っちゃうかも。穹の為にはなる話だけど、君は穹に嫌われちゃうかもね。」
「関係ねーし。穹の為になるなら・・・。」
「聞いたからって、穹に話せるとは限らないし。後悔するだけかも。」
「関係ねーつってんだろ!さっさと話せよ。」
悠木は焦らす音羽に苛立つと、怒鳴る様に言った。
音羽は又無表情へと変わり、つまらなさそうにすると、足をブラブラとさせながら話し始める。
「僕と音苑はね、最初から壊れてたんだよ。でも壊れ方がちょっと違ったんだ。音苑は現実逃避だったかな。幼稚園の先生に聞かされたお話しに、夢を見ていたんだ。」
「お話し・・・?」
「そう、お話し。『悪いモノは、全部天使が連れ去ってくれる。』って言う素敵なお話し。」
そう言うと、ニコリと小さく微笑んだ。
「天使って・・・。じゃあ、白井が天使に恋したのは 。」
「違うよ。」
悠木の言葉を遮り言うと、音羽は又無表情へと戻る。
「その時はまだ夢を見ている段階。恋をしたのはね、父親が死んでからだよ。それから音苑は、完全に壊れちゃった。」
「父親が死んでからって・・・。オカシイだろ、父親が死んでんのに。」
眉間にシワを寄せる悠木とは裏腹に、音羽は楽しそうにまた話し始めた。
「僕は音苑より先に壊れてたから、天使に夢見る音苑に、天使は本当に存在するって、思わせてあげようと思ったんだ。そしたら面白くなるだろうと思って。」
「面白くなるって・・・。お前何したんだよ?」
音羽はニヤリと薄ら笑いを浮かべると、笑いながら言った。
「父親を殺してやったんだ。事故死ってなってるけど、僕が道路に突き飛ばしてやったんだよ。それでね、音苑に言ったんだよ。『きっと天使が連れてってくれたんだね。』って。そしたら音苑、天使に恋をし始めちゃって。」
「マジかよ・・・それ・・・。」
悠木は顔を歪ませると、クスクスと不敵に笑う音羽から、思わず距離を取った。
「って事は、お前が原因で白井は・・・。でも、何だって父親が死んだからって・・・。お前だって、何で父親を殺したりなんか・・・。面白くなるからって、親を殺したのか?」
段々と訳が分からなくなって来た悠木は、頭の中が混乱してしまう。
音羽はニッコリと笑うと、人差し指を立てた。
「簡単な事だよ。僕と音苑にとって、父親は『悪いモノ』だったからだよ。」
「悪いモノって・・・。」
悠木は脳裏に、一瞬嫌な事を考えてしまう。
音羽は翳した人差し指を下ろすと、再び冷たい目付きへと戻り、話し始めた。
「僕と音苑はね、父親にとっても愛されていたんだ。毎晩日替わりで。昼も夜も、とっても愛して貰ってた。だから僕等は壊れちゃって、父親は憎しみその物だったんだよ。勿論母親も愛してくれたよ?普通にね。でも音苑の方が、二人に愛されてたんだ。だから僕の方が、先に完全に壊れちゃったのかな?僕からしたら、母親も憎しみの対象だけど。勿論音苑もね。」
音羽の話を聞いた悠木は、顔を真っ青に青褪めさせ、絶句してしまう。そんな悠木の事等気にせず、音羽は更に続けた。
「あぁ、この話は穹も知ってるよ。音苑が勝手に喋っちゃったんだ。天使が悪い父親を連れ去ってくれたから、恋したんだって。」
「なっ・・・穹も?だって穹は、白井が天使に恋した理由、知らないって・・・。」
驚いた顔をする悠木を見て、音羽は嬉しそうにニヤリと笑った。
「知らないって言われたんだ。そう、教えて貰えなかったんだね。ならまだ教えて貰って無い事が、沢山有るね。君はまだ、穹の友達にもなれてないんだ。」
悠木も穹と同じ様に、デジャブが走った。コンサート会場で音苑に言われた事と、同じ言葉を音羽にも言われる。
同じ顔をした二人に、同じ事を言われ、悠木の頭には一気に血が上ると、叫ぶ様に怒鳴り付けた。
「そんなもん、軽々しく人に言える話じゃねーからだろーが!穹はお前等兄弟に、気使って言わなかっただけだろっ!」
「父親に何をされたかは伏せて、天使に恋をした理由だけ言う事だって出来るよ。でも穹は言わなかったんだね。」
「それは・・・。」
音羽に痛い所を突かれ、悠木は口籠ってしまう。
音羽はニッコリと微笑むと、楽しそうケラケラと笑った。
「アハハッ。そんなんで、穹の事助けてあげよと思ってたんだ。まだ友達でも無い癖に、音苑の事を忘れさせる?笑っちゃうよね。穹の事も、音苑の事も何にも知らない癖に。一人で熱くなっちゃってたの?馬鹿みたい。」
悠木はグッと拳を握り込むと、体中から溢れ出る怒りを感じた。鋭い目付きで楽しそうに笑っている音羽を睨み付けると、その怒りをぶちまけた。
「テメェーが原因で、白井が天使だのに恋したって事は、これで分かったんだ!穹に話せば、テメェーは穹に嫌われるぞ!テメェーの方が馬鹿だろーが!」
音羽はケラケラと笑うのを止め、今度はクスクスと小さく笑い始める。
「本当に、何にも分かって無いね。話したいなら話せばいいよ。でも話してどうするの?さっきも言ったけど、穹は僕等が父親に何をされていたのか知ってるんだよ。優しい穹は、僕の事を責めたり出来ないだろうね。逆に僕は、父親から音苑を守った、優しい兄だって思われちゃうかも。確かに穹にとっては、音苑を助ける参考になるかもしれないけど。」
「それはッ・・・。」
音羽の言う事も一理有ると思うと、言い返せない。
「だったらお前は・・・何で穹に話さないねーんだよ。後ろめたいからだろーが。」
悠木の質問に、音羽は笑うのをピタリと止めると、真剣な表情へと顔を変えた。
「穹が苦しむだけだからだよ。」
「穹が・・・苦しむ?」
「君は本当に何にも分かって無い。君の言った通り、穹はきっと僕の事を嫌うだろうね。でも僕の事を考えると、責め立てる事が出来ない。そのジレンマに苦しむ。音苑が天使に恋をした、本当の原因を知ったら、きっと音苑にまた言い聞かすだろうけど。そしたら音苑は、思い出したくない事を思い出して苦しむんだ。そんな音苑の姿を見たら、穹だってまた苦しむ。」
音羽に言いたい事を理解すると、悠木は口を閉ざし、顔を俯けた。
「だから言ったのに。この話を聞いたら、君は困っちゃうって。どうする?穹に話す?話したいなら、話せばいいよ。僕は気にしないから。」
そう言って冷たい表情を浮かべる音羽を、悠木はグッと睨みつけた。音羽の言う通り、話せば穹の役には立つが、穹を苦しめる事にもなってしまう。
音羽はクスッと小さく笑うと、睨み付けて来る悠木を見下す様に見つめた。
「君は何の役にも立たない、只のクラスメートなんだよ。たまたま同じ趣味を持った、仲の良いクラスメート。穹にとってはその程度なんだ。一緒に並んで、ヴィオラを弾ける訳でも無い。只聴く事しか出来ない、役立たず。」
「五月蠅い・・・。」
悠木は重い声で言うと、更にグッと拳を力強く握り締めた。
「苦しみを一緒に乗り越えた事も無い君が、穹の苦しみを理解出来る訳が無いんだ。呑気に笑って、穹の上辺だけしか見せて貰えない、只の仲良しなクラスメート。」
「うるせーよ・・・。うるせーっつってんだろーが!」
悠木は俯いたまま、音羽に怒鳴り付けるも、音羽は冷たい言葉を浴びせ続ける。
「穹は一度でも君に、『助けて。』って言った事有る?助けさえ求めて貰えない、可哀想なクラスメート。何でも話し合える、本当の友達にでもなりたかったの?君が穹と話せるのは、クラシックの話しだけだよ。だって君は、音苑と穹が『本当に』好き合ってる事すら、知らないんだから。」
そう言うと、クリスと不適に笑った。
「なっ・・・何だよ・・・それ・・・。」
思わぬ言葉に、悠木は唖然としてしまう。そんな悠木の姿を見た音羽は、口元をニヤリとさせ、更に不敵に笑った。
「あぁ、やっぱり知らないんだ。アハハッ!『本当に』穹の事も、音苑の事も何にも分かって無いんだね。」
「だって穹は、白井には振られたって!」
「振られたよ。でも一方的に振られた訳じゃ無いよ。穹の好きと、音苑の好きがちょっと違っただけ。」
「違ったって・・・。」
悠木は音苑が言っていた、『穹は大好きな友達。』と言う言葉を思い出す。それと同時に、音羽の言っていた、『自覚の無いイカレ野郎。』と言う言葉も思い出すと、自然と自分の中で理解した。
「なっ・・・じゃあ、白井の行動は、本当に穹の為に。穹も・・・その事を知ってて・・・。」
唖然とする悠木に、音羽はクスリと小さく笑うと、ベンチから立ち上がった。
「穹は音苑に、憎まれてると思ってるみたいだけどね。僕は音苑を憎んでいるけど・・・。」
最後の方は小声で言うと、ベンチの横に置いたケースを手に持った。
クルリと後ろを振り返ると、唖然としている悠木に向け、ニッコリと微笑む。
「君に出来る事は、何も無いよ。だって君は、非力な操り人形だから。君の為の舞台は、用意されて無いよ。君の出る幕は無いよ、渡瀬悠木君。」
そう言うと、そのまま歩き始め、ゆっくりと公園から遠ざかって行く。
悠木はその場に硬直すると、音羽の言う通り、自分の出る幕はどこにも見当らなかった。
自宅へと戻った音羽は、静かに玄関のドアを開ける。部屋の灯りは点いているが、中はとても静かだ。
父親が死んでからは、母親はとても無口になった。たまに音苑の笑い声が聞こえて来る位で、殆どが無音に近い家の中。中学までは、二人のヴィオラの音色が響いていたが、それも高校に入ってからは、全く聞こえなくなった。
音羽は自室へそのまま行こうと、家の階段を上がろうとすると、リビングに音苑の姿が見えた。そっとリビングの中へと入ると、音苑は楽しそうにテレビを見ている。
「もう帰ってたんだ。コンサート、まだ終わる時間じゃない。」
後ろから冷めた口調の音羽の声に気付くと、音苑はニッコリと微笑むながら振り返った。
「穹が途中で帰っちゃったのよ。だから私も帰ったの。」
「そう。」
そのままリビングを出ようとすると、音苑は嬉しそうに、まだ音羽に話して来た。
「そう言えば、今日会場で音羽のライバルに会ったわよ。私に怒ってた。どうしてかしら?」
笑顔の音苑に対し、音羽は冷めた表情をして言う。
「渡瀬悠木君?僕も今日会ったよ。ライバルにもならない、只のガラクタだった。」
「ガラクタ?音羽はもう壊しちゃったの?私を壊したみたいに。」
一瞬音羽の眉がピクリと動くと、笑顔の音苑の顔を軽く睨み付けた。
「音苑のライバルはいいの?まだ野放しなんでしょ?穹を盗られちゃうよ。」
すると音苑は、クスリと不敵に笑った。
「平気よ。穹の友達は、私と音羽だけだって、ちゃんとお話しするから。そうだ!これ、お土産。」
音苑は会場で貰った、パンフレットの束の入ったファイルを音羽に手渡した。
音羽はファイルを受け取ると、「そう。」と冷たく一言だけ言い、そのままリビングから出て行ってしまう。
階段を上がり、自分の部屋へと入ると、ゆっくりとドアを閉める。電気も点けずに、机の上にケースを置くと、音苑から受け取ったファイルを乱暴に部屋の壁にぶつけた。壁にぶつかったファイルは、中から沢山の紙を散りばめ、部屋の中に散乱する。
足元にヒラリと落ちて来た紙を強く踏みつけると、グッと唇を強く噛み締めた。
「そうやって君は・・・いつも無自覚で責め続けるんだ。僕も・・・穹も・・・。」
ジワリと噛み締めた唇から血が滲むと、舌でペロリと血を舐めた。
今日は気に入らない事だらけだと思うと、苛立って来る。音苑が誰よりも憎くて仕方が無い。今すぐにでも、殺してやりたい気分だったが、穹の事を考えると出来ない。きっと今日会った、悠木のせいで余計苛立つのだと思うと、怒りの矛先は悠木へと向けられる。
音羽は良い事を思い付くと、ズボンのポケットの中から携帯を取り出した。電話帳を開くと、電話を掛け始める。
「やぁ、由香里ちゃん。急にごめんね。ちょっとお願いしたい事が有って。」
由香里へと電話を掛けた音羽は、クスッと小さく笑うと、何の疑いも無く、「何ですか?」と聞いて来る由香里に伝えた。
「穹に伝えて欲しいんだ。忠告が警告に変わったから、渡瀬君とは話さない方がいいって。一緒に居たら、彼が危ないよって、伝えてくれる?」
「時谷先輩に?分かりました。」意外にも何も質問もせず受入れる由香里だったが、音羽はその理由も音苑の話しで知っていた為、「ありがとう。」と言いそのまま電話を切った。
「穹に無視されたら、渡瀬君は傷付くかな?」
クスクスと笑うと、机の上に置いたケースを優しく手で撫でた。
「音苑にも・・・新しい事を教えてあげなくちゃね。」
音羽は机の上に飾ってある写真立てを見ると、中に入れた写真をジッと見つめた。写真には音羽と音苑、穹の三人が写っている。穹の左右に立つ音羽と音苑だったが、音苑の顔だけ切り抜かれていた。
「穹の隣に立っていいのは、僕だけだ・・・。」
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