そういう目で見ています。

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……認める。 私は少し、…というか、かなりのスーツフェチなんだ。 スタイルは細すぎても、マッチョ過ぎても太っていてもいけない。 スーツがぴったり当てはまるスタイル、というものがあるのだ。 身長は180前後。 超えてもいけない。 180に少し満たないくらいが理想。 バランスの良い体格。 肩は少し広めで、少し厚め、肩から胸へのラインも分厚すぎるのはダメ、適度に。 正にマネキンのような体格がいい。 そういった意味で、社長は私の好みぴったりだった。 最初の面接の時はスリーピースを着用していたから、なおさら。 スリーピースとか…考え出した人は本当に素晴らしいと思う。 ジャケットから、チラリと見えるベストは、なんであんなに色気があるんだろう。 そして、ジャケットを脱いだ時の、ベストとシャツのコラボ…。 ベストとの境目、シャツの肩あたりのラインが綺麗ならば、もう、正直拝みたい。 ジャケットを羽織っている時とは、また違うストイックさにグッとくる。 体格のバランスの良さはここで分かる、というものだ。 ある程度の逆三角は必要ではあるけれど、細過ぎても、見栄えが良くない。 最初の面談の時はそのスーツ姿があまりにも好み過ぎて、私は戸惑った。 派遣として、数々の企業にお邪魔し、ありとあらゆるスーツ姿を見てきたけれど、これほど好みにマッチする人はいなかったから。 「失礼しますー。じゃあね、月蔵さん。」 「はい、お疲れ様です。」
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