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そういう目で見ています。
「月蔵さん、継続を依頼されているのだけれど、構わないかしら?」
月蔵詩乃、私は派遣社員だ。
正社員ではあるのだけれど、その部署では、秘書やアシスタントを派遣する業務があり、私はその部署に所属してしている。
本当のプロ派遣。
数ヶ月おきに契約で、会社から依頼を受けた先に派遣されて業務をこなしている。
内容は様々。
自身が秘書やアシスタントとして、仕事をすることもあるし、業務に慣れていない秘書さんに、仕事を教えることもある。
今回は、辞めてしまったアシスタントの代わりに数ヶ月、仕事をしてほしいと言われており、今月末はその3ヶ月目だった。
本来ならばこの会社からは、引き上げる予定なのだったけれど。
「次の仕事が入っていないのならば、私は構いません。」
「ん。今のところは大丈夫かな。じゃあ、あと3ヶ月、お願いします。」
3ヶ月継続する書類に署名して、自社の上司との面談を終える。
「社長、面談終わりました。」
「はい。あ、…。」
彼は言い淀む。
「継続の件は伺いました。ご契約、ありがとうございます。」
「良かった。月蔵さんがいてくれると、とても助かるから。」
「そう言って頂けると、とても嬉しいです。」
私はにっこり笑う。
私も会社の名前を背負って来ているのだ。
会社の評価を下げるわけにはいかない。
安心した様子で、私の上司との面談に向かった社長の後ろ姿を私は見送った。
──後ろ姿は特にヤバいわ。特に腰からお尻にかけてのライン。
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