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 暁はふらふらと歩いた。  菓子屋や小間物屋を通り過ぎて気づくと神社に辿り着いていた。  祈る言葉も思いつかず、そばにあった大きな石に腰掛け、ぼぅっと辺りを眺めた。  祈りに来る女が、一人、二人と絶えることなく神社を訪れた。 (生きてる限り悩みは尽きない、か)  徐々に日が暮れ、辺りは朱く染まっていくのがわかった。 「黄昏、誰ぞ彼」  暁は呟いた。 「見間違えでもいいから、逢えたらいいのに」  うずくまり、徐々に辺りが薄暗くなるのを感じた。  すぐ近くから足音が聞こえ、暁は顔を上げた。そして、言葉が口をついて出た。 「美露?」  しかしその人が近づき、正体が分かった。  薄紅だった。
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